■ はじめに:「なんだか最近、心も体もきつい」それ、男性の更年期かもしれません
「最近、朝から体がだるい」
「仕事にやる気が出ない」
「家族とも会話したくない」
こんな風に感じていませんか?
もしかすると、それは**男性の更年期障害(加齢男性性腺機能低下症候群/LOH症候群)**のサインかもしれません。
「更年期障害」と聞くと、女性のものというイメージがありますが、男性にも40代後半~60代にかけてホルモンバランスが乱れることで心身に様々な不調が出ることがあります。
この記事では、「もう消えてしまいたい」と感じるほど深刻になることもある男性の更年期障害の症状・具体例・対処法について、わかりやすくご紹介します。
■ 男性の更年期障害とは?
男性の更年期障害とは、男性ホルモン「テストステロン」の減少が原因で心と体に不調が出る状態のことを指します。
女性と違って、男性のホルモン減少はゆるやかに進むため、本人も周囲も気づきにくく、**「うつ病と間違われやすい」**のが特徴です。
■ 「もう消えてしまいたい」と感じることも…男性更年期の主な症状
① 精神症状:気分の落ち込み・不安・怒りっぽさ
具体例:「仕事中に急に涙が出そうになる」「家族の何気ない一言にイラッとしてしまう」「意味もなく不安で眠れない」
テストステロンの減少は、脳の神経伝達物質にも影響を与えるため、気分の浮き沈みが激しくなります。うつ状態に近い症状が出ることも多く、放置すると「生きている意味がわからない」「いなくなりたい」と感じるケースもあります。
② 身体症状:慢性的な疲労感・発汗・動悸・性機能の低下
具体例:「朝起きても疲れが取れない」「急に汗が出てスーツがびしょびしょになる」「性欲がまったくなくなった」
疲労感や睡眠障害が続くと、仕事のパフォーマンスが落ちる→自信をなくす→ますます落ち込む…という悪循環に陥りがちです。
③ 社会的症状:やる気の低下・職場や家庭での孤立感
具体例:「会議中に発言する気が起きない」「子どもと話すのが億劫」「上司や部下との会話が煩わしく感じる」
精神・身体の不調により、人間関係にも影響が出始めます。家庭でも「無関心」「無口」になり、パートナーや子どもとの距離が生まれやすくなります。
■ 男性が自分の不調に気づきにくい理由
- 「自分は大丈夫」と思い込んでしまう
- 男性ホルモンの変化を意識する機会が少ない
- 社会的に“我慢が美徳”とされやすい
- 「メンタルの問題は恥ずかしい」と感じる文化
これらが原因で、多くの男性は「限界まで我慢してしまう」傾向があります。実際、症状がかなり進んでから病院に来る人も少なくありません。
■ 対処法:今すぐできる5つのステップ
1. 病院に行く(泌尿器科・心療内科)
→「男性更年期外来」や「LOH外来」がある病院で、血液検査によりテストステロンの値を調べることが可能です。
2. 生活習慣の見直し
→ 睡眠・食事・運動がテストステロンの分泌に大きく関係しています。週3日の軽い運動でも違いが出ます。
3. パートナー・家族との対話
→ 正直に今の自分の気持ちを伝えることで、理解者が生まれます。孤立しないことがとても大切です。
4. ホルモン補充療法(HRT)
→ 医師の判断でテストステロンを補充する治療法。劇的に改善する人もいます。
5. 心療内科でのカウンセリングや薬物療法
→ うつ状態が強い場合、抗うつ薬や抗不安薬で症状が安定することもあります。
■ 周囲の理解がカギになる
男性の更年期障害は、本人だけでなく家族・同僚・社会全体の理解が重要です。
- 「最近、夫が急に無口になった」
- 「父親がいつもイライラしている」
- 「部長がやる気を失っているように見える」
こうした変化は、**「性格」や「年齢のせい」ではなく、ホルモンの乱れという“病気の症状”**である可能性があるのです。
■ まとめ:「消えてしまいたい」と思ったら、まず“ひと休み”を
もし今、あなたが「もう消えてしまいたい」「誰とも関わりたくない」と思っていたら、それは“心と体が疲れ果てている証拠”です。
無理をせず、ひとまず立ち止まってください。
そして、「これは病気かもしれない」と一度疑ってみてください。
男性の更年期障害は、決して珍しいことではありません。
そして、適切な治療とサポートがあれば、以前の自分を取り戻すことができる病気です。
■ 最後に:この記事を読んだあなたへ
「男だから泣くな」「年のせいだから仕方ない」
そんな言葉に耐え続けなくていいんです。
あなたのつらさは、ちゃんと理由がある。
だからこそ、声を上げて、助けを求めてください。
ひとりで抱え込まなくて大丈夫です。