職場にはさまざまな個性の人がいますが、時に厄介なのが「子供のように正義感だけが強い社員」。本人は善意で行動しているつもりでも、周囲を混乱させたり、雰囲気を悪くしてしまうこともあります。
この記事では、そんな“正義マン”タイプの社員にどう向き合うべきか、具体的なエピソードを交えて解説します。
1. 「正義感が強すぎる社員」とはどういう人か?
特徴
- 社内ルールやマニュアルに非常に厳格
- 小さな不正やミスを見逃さない(例:5分遅刻、備品の私的使用など)
- 上司にも臆せず意見を言う
- チームより「正しさ」を優先する傾向
- 柔軟な対応が苦手
問題点
このタイプの人は**「悪いことは悪い!」という思いが強すぎるあまり、現実との折り合いがつかずトラブルを生む**ことがあります。本人は正義感から動いているため、悪気がない分、厄介でもあります。
2. よくある具体例
事例①:チームの和を乱す“マニュアル警察”
30代男性社員Aさん。就業規則を隅々まで読み込んでおり、同僚が休憩時間を1分超過しただけで「ルール違反です」と注意。注意された同僚は気分を害し、職場の空気がピリつくように。
問題点:
「正しさ」が最優先され、チームワークや人間関係を軽視してしまっている。
事例②:上司に食ってかかる“内部告発タイプ”
20代女性社員Bさん。会社の経費処理で上司が簡略化した手順を「不正」と思い込み、部長に報告。事実上は社内で許容されている慣習だったため、上司との関係が悪化。
問題点:
状況判断が未熟で、グレーゾーンへの理解がない。善意が裏目に出るケース。
3. どう対処すればいいのか?
対処法①:「正しさ」の方向を修正するフィードバック
正義感そのものを否定してはいけません。正しさを“成果や信頼につながる形”に転換する支援が必要です。
例:「Aさんのマニュアルへの理解は助かってる。ただ、指摘の仕方次第でチームが協力的になれなくなることもある。どう伝えると相手に響くかも考えてみようか。」
対処法②:グレーゾーンの存在を認めさせる教育
社会や組織には、完全な“白黒”では割り切れない場面があることを具体的に伝えます。
例:「法律や社内ルールは守るべきだけど、現場での優先順位や人間関係の配慮も必要なんだよ。」
対処法③:役割を与えて“正義感”を建設的に活かす
彼らの“正しさ”を活かすポジションを作るのも一手。品質管理、業務マニュアル整備、コンプライアンス対応などの分野で力を発揮できるかもしれません。
例:「Aさんのルールへの関心は強みだと思う。マニュアル改善プロジェクトに参加してくれない?」
4. 絶対にやってはいけないNG対応
- 否定・無視する:「めんどくさい奴」と切り捨てると、逆恨みや孤立を生む危険あり
- 感情でぶつかる:正義感が強い人は、感情的な対応に敏感。感情的な反発は火に油
- 放置する:周囲のストレスが蓄積し、職場の士気を下げる要因に
5. まとめ:正義感は“刃”にも“翼”にもなる
正義感の強い社員は、扱い方次第で“職場の秩序を守る力”にも“空気を乱すトラブルメーカー”にもなり得ます。大切なのは、「正しさ」だけに囚われず、状況に応じた“賢さ”と“柔軟さ”を育てる関わり方。
本人も成長途中であることを忘れず、適切な対話と役割の工夫によって、彼らの“まっすぐな力”を組織のために活かすことができるのです。