― 誹謗中傷で潰れるまで叩く「正義中毒社会」の裏側 ―
こんにちは。今日は、今の日本社会に漂う“空気”について、ひとつ本気で考えてみたいと思います。
SNSやネットニュースを開けば、何かしらの**「炎上」**が起きている。
芸能人、スポーツ選手、政治家、企業、そして一般人まで……
何か一言・一動作を間違えただけで、執拗な誹謗中傷に晒され、叩かれ、時には「社会的に抹殺」されていく。
そんな現象が、当たり前のように繰り返されています。
果たして、今の日本は「正常」と言えるのでしょうか?
なぜここまで叩かれる? ― 具体例で見る“異常さ”
1. 芸能人の私生活に対する過剰なバッシング
2020年、**木村花さん(プロレスラー・テラスハウス出演者)**が、SNSでの誹謗中傷を苦に命を絶った事件は、まだ記憶に新しいでしょう。
番組内のちょっとした言動が一部の視聴者の怒りを買い、「消えろ」「死ね」といった暴言が大量に届いた結果、たった22歳の若い命が奪われました。
→ 問題:番組演出を現実と混同し、“悪役”を現実の人間として叩く異常さ。
2. 一言の失言で「人生終了」
2024年の例ですが、ある著名人がトーク番組で軽い冗談を言ったつもりが、文脈を切り取られてSNSで拡散。「〇〇は差別だ!」「炎上させろ!」とキャンセル運動が始まり、出演番組は次々に降板、広告契約も打ち切り。
一度の発言が「全人格否定」につながる現代の怖さが浮き彫りになっています。
→ 問題:発言内容の文脈を無視し、“切り取り正義”で叩く異常性。
3. 企業広報やCMへの攻撃
例えば大手飲料メーカーが発表したCMに対して、「男女差別だ」「高齢者をバカにしている」といった批判が殺到。企業は即座に謝罪し、CMは削除。
しかし、そのCMの意図や背景を理解しようとする声はごくわずかでした。
→ 問題:誤解や“被害者意識”から生まれる過剰な糾弾。
なぜ、ここまで「叩くこと」が日常化したのか?
● SNSによる“匿名の正義”
今や誰もがスマホ一つで「批評家」になれる時代。
匿名で発言できるがゆえに、責任感のない攻撃が加速しています。
**「みんなが叩いてるから私も」**という空気は、まさに“現代のリンチ”とも言えるでしょう。
● 「正義中毒」と「承認欲求」
「私は間違っていない」
「悪いことを指摘している自分は偉い」
――そんな自己肯定の手段として、誰かを叩くという人も少なくありません。
「いいね」や「リツイート」の数が、正義を演じる燃料になってしまう。
● 「謝罪すれば許される」ではない文化
謝っても叩かれ続ける。
逆に謝ったことで火に油を注ぐ。
一度炎上すると、許される道がほぼ存在しないのも、日本社会の特徴です。
もはや「社会的私刑」――それで誰が幸せになってるの?
誰かを叩いてスッキリする人はいるかもしれません。
でもその陰で、心を病み、生活を失い、命を絶つ人がいるという現実。
本当にそれが「正義」と言えるのでしょうか?
私たちにできること
- 情報は**「文脈」**と一緒に読む
- 「自分が言われたらどう思うか?」を一瞬でも想像する
- 炎上案件に安易に乗っからない
- 叩くより、考える。
- 間違いを指摘するにしても、冷静に対話できる言葉を選ぶ
最後に ― 正しさよりも、やさしさを
確かに、差別や不適切な発言には声を上げるべき場面もあります。
でもそれが、人格攻撃や社会的排除につながるような“潰し”になっていないか?
私たちはその都度、立ち止まって考えるべきです。
正しさを求めることと、人を潰すことは別物です。
「間違いを叩く」より、「間違っていたら教える」という文化に変えていけたら――
それだけで、もっと健やかな社会になるはずです。
あなたは、誰かを叩く「群れ」に流されていませんか?
それとも、「誰かの痛み」に目を向けられる人でいたいですか?