〜日本が学べる海外モデル〜
日本では「働き方改革」が叫ばれて久しいものの、依然として長時間労働、年金不安、定年後も働き続ける高齢者が多くいます。一方、世界には実際に“過密労働社会”を脱却し、幸福度の高い働き方を実現した国々があります。
今回はその中でも注目される3つの国、アイスランド、オランダ、ニュージーランドの成功事例を紹介し、日本が学べる点を掘り下げていきます。
■ アイスランド:週4日労働で成果は上がり、幸福度も上昇
💡 ポイント:
- 2015〜2019年に実証実験
- 公務員を中心に「週5日→週4日、報酬そのまま」で勤務時間を削減
- 約2,500人が参加し、仕事の成果は変わらず、ストレスや離職率が大幅減
🔍 実際の結果:
- 生産性は変わらずか、むしろ向上した部署も多数
- 精神的な健康が改善し、家庭生活とのバランスも改善
🇯🇵 日本が学べること:
- 成果主義に切り替えれば、労働時間は削れる
- 公的機関が先導し、「やってみる」姿勢が重要
- 短時間でも“集中すれば十分”という意識改革
■ オランダ:選べる労働時間で全員が「生活」を重視
💡 ポイント:
- 労働者の約45%がパートタイム勤務
- 正社員とパートタイムに待遇の大きな差がなく、育児・学業・老後を柔軟に支える制度が完備
- 法律で「週何時間働くか」は労働者が選ぶ権利とされている
🔍 実際の影響:
- 女性の社会進出率も高いが、家庭とのバランスも確保
- 高齢者が無理に働かずに済む福祉体制がある
🇯🇵 日本が学べること:
- 「フルタイム正社員だけが正義」という偏見をやめる
- 労働者の時間選択権を法制度で守ることが必要
- パートや短時間勤務の待遇を平等に近づける
■ ニュージーランド:心の健康が最優先の働き方へ
💡 ポイント:
- 国内企業が自主的に週4日制を採用し始め、政府も支援
- 首相自らが「観光と家族時間を両立できる社会を」と発言
- メンタルヘルス支援、リモートワーク導入も積極的
🔍 実例:Perpetual Guardian(資産管理会社)
- 週4日勤務の制度を導入→生産性20%アップ
- 従業員のストレスレベルは7割近く改善
🇯🇵 日本が学べること:
- トップリーダーの「働き方」に関する価値観発信が社会を変える
- 企業側のメリット(定着率向上、離職減)も明確に伝えるべき
- 働き手の“心の余裕”が結局は成果につながる
■ ではなぜ日本では進まないのか?
障害 | 内容 |
---|---|
📎 終身雇用&年功序列 | 時間を費やすことが評価の対象になりやすい |
📎 「働いて当然」の社会圧力 | 働かない=怠け者というレッテル文化 |
📎 雇用の柔軟性のなさ | 正社員と非正規の待遇格差が大きく、移行しづらい |
📎 成果よりも“姿勢”重視 | 労働時間が短い=やる気がない、と思われやすい |
■ 日本でも一歩ずつ始まっている希望の兆し
- 2024年から地方自治体での「週4日実験」や「選択的週休3日制」が一部でスタート
- 大手企業(NEC、ユニリーバ・ジャパンなど)が、週4日勤務やフルリモートを導入
- 若年層を中心に、生活重視・地方移住・FIRE(早期リタイア)志向が拡大
■ まとめ:成功国の共通点と、日本に必要な3つの変化
✅ 成功国の共通点
- 労働時間の削減は「コスト」ではなく「投資」
- 成果ベースの評価とワークライフバランス重視
- 労働者に時間と自由を与える文化
🧭 日本に必要な3つの視点転換
- 労働時間ではなく成果を見る社会へ
- 働き方の多様性を保障する法制度へ
- 働かない自由も尊重する文化へ
✨ 終わりに
「死ぬまで働く」社会は、決して運命ではありません。
変えた国々は実際に存在します。
必要なのは、仕組み+意識+一歩の勇気。
そしてその一歩を踏み出すのは、
政府でも企業でもなく、私たち一人ひとりの選択です。