スマートフォンやパソコンを開けば、すぐにアクセスできるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。友人との連絡や情報収集、趣味の共有など便利なツールですが、その一方で私たちの心身や社会に悪影響を及ぼすリスクも増えています。
今回は、SNSがもたらす代表的な悪影響を、具体例を交えながら詳しく解説します。
1. メンタルヘルスへの悪影響
具体例:比較と自己肯定感の低下
SNSでは友人や有名人の「キラキラした投稿」があふれ、自分の生活と比べてしまいがちです。
- ある調査では、SNS利用時間が多い若者ほど「自分は劣っている」「孤独だ」と感じる割合が高いことが判明。
- 実際に、17歳の女子高生がSNSの投稿を見て自己評価が下がり、うつ状態に陥ったケースも報告されています。
SNS依存と睡眠障害
寝る直前までスマホを見続けることで、ブルーライトの影響や脳の興奮が続き、睡眠の質が低下。
- 30代男性が寝不足で業務効率が下がり、疲労感が蓄積して仕事を休むことが増えた例もあります。
2. デマ・フェイクニュースの拡散
具体例:新型コロナウイルスの誤情報
2020年〜2021年のコロナ禍では、SNS上でワクチンの安全性に関する誤った情報や、感染防止策の嘘が広まりました。
- これにより一部の地域ではワクチン接種率が低迷し、感染拡大に歯止めがかからなくなった事例が複数存在。
社会不安や差別の助長
SNSでのデマは特定の人種や国、宗教への偏見を強化し、ヘイトスピーチや暴力行為の誘発につながることも。
- 例えば、特定民族に対する差別投稿が拡散され、抗議デモや騒乱が起こった事件も。
3. プライバシーの侵害と個人情報流出
具体例:写真や位置情報の無断共有
友人との楽しい写真が、本人の許可なくSNS上で拡散され、トラブルに発展するケースが多発。
- 高校生が自宅の写真をSNSに投稿したことで、ストーカー被害に遭った事件も報告されています。
個人情報の詐取
SNSの利用者が「友達かも?」と知らない人物を安易に承認し、フィッシング詐欺やなりすまし被害に遭う例も。
- 実際に有名人の偽アカウントに騙され、ファンが詐欺被害に遭ったケースが話題に。
4. ソーシャルプレッシャーといじめ
具体例:ネットいじめ(サイバーいじめ)
SNSでの匿名性や拡散力により、誹謗中傷や悪質なコメントが拡大しやすい状況。
- 中学生がSNS上で誹謗中傷を受け続け、自殺未遂に追い込まれた悲しい事件もあります。
- さらに、いじめの加害者が複数人に及び、被害者の精神的負担が深刻化。
5. 生産性の低下と時間の浪費
具体例:スマホ依存で仕事や学業に支障
SNSを見続けることで注意力が散漫になり、業務効率や学習効率が低下。
- 20代の会社員がSNSチェックのために残業し、過労で体調を崩したケースもあります。
【まとめ】SNSとうまく付き合うために
SNSは便利な反面、使い方を誤ると心身や社会にさまざまな悪影響を及ぼします。
▶ 具体的な対策例
- 利用時間の制限や休憩時間の設定
- 情報の真偽を確かめる習慣
- プライバシー設定の強化と慎重な投稿
- ネットいじめや誹謗中傷への早期対応
SNSと上手に付き合うことが、健康で豊かな生活を送る鍵です。