1. 各党のポジション早見表
制度そのものを導入したい「実現派」と、現行制度を維持しつつ利便性を高めたい「慎重・反対派」で大きく分かれています。
| 政党グループ | 主な政党 | 基本スタンス | 具体的な方針 |
| 慎重・反対派 | 自民党 | 現行制度維持+α | 同姓を維持しつつ、「旧姓通称使用」の法制化を目指す。 |
| 推進派 | 中道改革連合 (立憲・公明など) | 早期実現 | 人権保障の観点から法改正を推進。クオータ制導入等とセットで掲げる。 |
| 強力推進派 | 日本共産党 社民党 | 今すぐ実現 | 選択的夫婦別姓と同性婚の法制化を最優先課題とする。 |
| 独自・推進派 | れいわ新選組 | 実現を目指す | 積極財政と並び、個人の尊厳を守るための法整備を主張。 |
| 反対派 | 参政党 | 導入に反対 | 伝統的な家族観を重視。旧姓通称の適用拡大で対応すべき。 |
2. 各党の主張:何が争点になっているのか?
■ 自民党:高市政権の「通称使用の法制化」
高市早苗首相率いる自民党は、伝統的な家族の形を重視する立場から、「選択的夫婦別姓の導入」には依然として慎重です。その代わりに打ち出しているのが「通称(旧姓)使用の法制化」です。
- メリット: 戸籍上の姓を変えることなく、社会生活で旧姓を法的効力を持って使えるようにする。
- 批判: 「2つの名前を使い分ける負担が消えない」「アイデンティティの喪失を解決できない」との声が根強いです。
■ 中道改革連合(立憲・公明など):人権としての「別姓」
公明党と立憲民主党などが合流した中道改革連合は、**「選択的夫婦別姓の推進」**を公約の柱の一つに据えています。
- 主張: 山口那津男氏らは「人権保障の問題」と捉え、30年前の法制審議会の答申に基づき、速やかに法案を成立させるべきだとしています。
■ れいわ・共産・社民:多様性と個人の尊厳
「個人の尊厳」を重視するこれらの政党は、選択的夫婦別姓だけでなく、同性婚の法制化(婚姻平等法)とセットで早期実現を求めています。
- 主張: 「誰がどの名前で生きるかは個人の自由」であり、国がそれを妨げるべきではないという立場です。
3. 【注目】なぜ「通称使用」では不十分なのか?
選挙戦では、自民党が掲げる「通称使用」案と、他党が掲げる「別姓導入」案が激しくぶつかっています。
- 旧姓通称: 銀行口座、パスポート、資格名義などで「かっこ書き」が増えるだけで、海外でのトラブルや手続きの煩雑さは解消しきれません。
- 別姓導入: 戸籍そのものを別々にできるため、公私ともに名前を一本化でき、不利益が生じません。
4. 投票のヒント:あなたの優先順位は?
今回の選挙で「夫婦別姓」を重視して選ぶなら、以下の視点が参考になります。
- 「家族は同じ姓であるべき」という伝統を重んじるか?→ 自民党、参政党などが近い考えです。
- 「仕事や生活上の不利益を、根本から解決してほしい」と思うか?→ 中道改革連合、れいわ、共産、社民などが近い考えです。
結論:30年越しの議論に、一票で決着を
1996年に法制審議会が導入を答申してから、すでに30年。これ以上議論を続けるのか、それとも新しい家族の形を認めるのか。その鍵を握るのは、今回の衆院選での議席配分です。