2025年6月末、米国のドナルド・トランプ前大統領(以下、トランプ氏)は、日本への関税引き上げを示唆し、協議の延長も否定する発言を行いました。これにより、日米の貿易交渉は混迷の度合いを深めています。
1. 関税率「30%、35%」の具体的意味とは?
トランプ氏は自身のSNS(Truth Social)で、
「われわれが決める30%、35%といった関税を払ってもらう」finance.yahoo.com+2x.com+2x.com+2
と発言。現在米国が一時的に10%レベルに抑えている「加害者向け相互関税」を、容認しない場合、 日本には**最大30〜35%**の高率課税を提示する可能性があるとしています。
また、Reutersなどが報じた通り、自動車に対する25%関税は既存の枠組みで継続すると明言しており、全体として日本企業にとってのリスクが急速に上昇中です。
2. 協議延長を「絶対にしない」その背景
トランプ氏は7月9日を期限とする関税の一時停止措置についても、
「延長は考えていない」
と明言し、圧力をかけ続ける姿勢を崩していません。7月9日以降、交渉が決裂すれば自動的に関税率が引き上げられる“瀬戸際”に日本は追い込まれています。
3. 日本側の反応と具体的影響
🚗 自動車産業への打撃
- トヨタはすでに、米国関税により4〜5月期で約1,800億円の利益減を計上。ホンダやマツダも数千億円規模の減益を見込んでいますreuters.com。
- 石破元首相は、G7でトランプ氏に関税撤廃を訴えましたが、交渉は進展せずen.wikipedia.org。
- 経済研究機関のミズホリサーチなどによれば、関税強化によって日本のGDPが最大1%押し下げられる可能性もあるとの警告が出されています。
🌾 農産物(米・大豆)への要求
- トランプ氏は対日交渉の中で「日本は米国産のライスも受け入れていない」と不満を表示。米国産農産物市場へのアクセスを求めていますapnews.com。
- 長らく鉄壁だった日本の米・ジャガイモなど農産物規制について、米側が非関税障壁の緩和も要求材料としています。
4. 今後の焦点と交渉戦略
交渉ポイント | 米国の要求内容 | 日本側の対応 |
---|---|---|
自動車関税 | 25%維持、さらに全体で30〜35%も視野 | 石破氏らは10%程度への引き下げを模索finance.yahoo.com+1x.com+1 |
農産物市場 | 米、トウモロコシ、大豆、ライス | WTO枠内での市場開放を慎重に検討 |
非関税措置 | 農薬・安全基準、規制緩和 | 現行の枠組みとの整合性を重視 |
協議期限 | 7月9日までの交渉期限 | 延長は否定、時間との競争に |
日本政府は、自動車と農産物の両輪で譲歩は難しいとしつつも、交渉の打開策として再度米側への投資や貿易量拡大を打ち出す構えです。当然、企業も政府も「最悪のシナリオ」に備えた代替サプライチェーンの整備を急いでいます。
✍️ まとめ:揺れる日米貿易、未来はどうなる?
- トランプ氏は日本に30~35%の関税を示唆し、協議期限も延ばさない姿勢。
- 自動車・農産品に直撃し、日本経済にも大きなリスク。
- **関税強化でGDP-1%**との試算もあり、影響は計り知れない。
- 7月9日までが正念場。延長がない以上、交渉の決着がカギ。
- 日本は投資増や市場開放で応戦しつつ、企業は輸出多角化・リスク回避へ奔走中。
今後数週間、日米貿易交渉の行方から目が離せません。関税戦争回避と互恵的な新協定の実現は、日本にとってもアメリカにとっても早急な課題でしょう。
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