「お前の顔を見てるだけでイライラする」
「今月中に辞めろ、邪魔だから」
そんな暴言が、いまだに当たり前のように飛び交っている職場――それが一部の税務署の現実です。
国家公務員という立場もあり、「上司に逆らったら異動させられる」「評価を落とされるのが怖い」と我慢を強いられる人も少なくありません。
しかし、パワハラは明確な“違法行為”です。
この記事では、実際にパワハラに遭遇した際に使える法的な対処方法を、実例とともにわかりやすく解説します。
1. まず「パワハラ」に該当するかを確認する
厚生労働省が定めるパワハラの定義は以下の3要素です:
- ① 優越的な関係を背景とした
- ② 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動で
- ③ 労働者の就業環境を害するもの
具体例(税務署内のケース):
- 「終わるまで帰るな」と毎晩21時まで強制残業(②③に該当)
- 上席に「バカ」「無能」などと繰り返し罵倒される(②③に該当)
- 特定の職員にだけ資料を渡さない、挨拶を無視する(②③に該当)
これらはすべてパワハラ認定の可能性が高い行為です。
2. 記録を残す ― 法的対処の第一歩
法的対応をするには、証拠が極めて重要です。
具体的な証拠の取り方:
- 日時・場所・内容・相手を手帳やスマホのメモに記録
- 会話内容をICレコーダーやスマホで録音
- 体調不良や医師の診断書があればコピー保存
- メールやチャットでの指示・暴言などはスクリーンショットで保存
注意点: 録音は、個人の正当防衛目的であり、公開しない前提であれば違法にはなりません(判例あり)。
3. 上司や人事に相談する ― まずは内部の窓口から
税務署は国税庁の下にある国家機関であり、内部通報制度が設けられています。
相談できる部署:
- 各税務署の「業務管理担当」
- 税務署内のハラスメント相談員(男女各1名配置されているケースあり)
- 国税局人事課
- 国家公務員倫理審査会(内閣府)
注意点:
内部相談は“加害者側の管理下”にあるため、相談内容が漏洩する危険性もあります。そのため、証拠をしっかり保管した上で慎重に行動しましょう。
4. 労働基準監督署や弁護士に相談 ― 外部の力を借りる
税務署職員は国家公務員ですが、パワハラは民事・刑事にも関わる違法行為。
公務員であっても、次のような機関に相談することが可能です。
■ 労働基準監督署
- 強制的に調査が入ることは稀ですが、「相談実績」を残すことで抑止力になります。
■ 弁護士への相談
- パワハラ専門の労働弁護士なら、損害賠償請求や名誉毀損の訴訟も視野に入ります。
- 初回無料相談サービスもあり、証拠が揃っていれば動いてくれる弁護士も増えています。
5. 損害賠償請求・慰謝料請求ができるケースも
パワハラにより心身の健康を損なった場合、民事訴訟で慰謝料請求も可能です。
具体例:
ある職員が上司から日常的に「死ね」「使えない」と罵倒され、うつ病を発症。
→ 医師の診断書と録音データを元に50万円の慰謝料支払いが認定(実例)。
6. 公務員でも「訴えてよい」という当たり前の権利
「公務員なんだから我慢するのが当然」
「言っても無駄、どうせ握りつぶされる」
そんな“空気”に屈してはいけません。あなたには、法の下で守られる権利があります。
しかも、税務署のような閉鎖的な職場ほど、“外部の目”が入ることでパワハラ体質は急速に変わる傾向にあります。
まとめ:泣き寝入りしない、記録と冷静さが最大の武器
税務署という強固な組織の中でも、あなたは一人ではありません。
- 証拠を残す
- 外部に相談する
- 必要なら訴える
これらはすべて「正当な権利」であり、あなたの心と人生を守るために必要な行動です。
もしあなたや身近な人がパワハラで悩んでいるなら、この情報をシェアしてください。
小さな一歩が、組織全体の“体質改善”につながるかもしれません。