朝夕に三陸沖を震源とする地震が相次いで報じられ、現地や沿岸の住民に不安が広がっています。この記事では(1)最近の地震の状況、(2)三陸沿岸がなぜ地震・津波に脆弱なのか、(3)歴史的な大地震・津波の教訓、(4)現在の地震活動の読み方、そして(5)日常でできる備え、の順でわかりやすく整理します。

最近の地震はどういったものか

2025年11月上旬にも三陸沖を震源とする地震が発生しており、マグニチュードおよそ4.9〜5.8、震源の深さは約10kmという報告が出ています(観測によって若干の差はあります)。これらはいまのところ大きな津波の心配はないとされているケースが多いですが、余震や別の位置での大規模地震の可能性をゼロとは言えません。TBS NEWS DIG+1

三陸沿岸が「津波で被害を受けやすい」理由

三陸海岸はリアス式海岸と深い大陸棚が特徴で、海底の地形(地形増幅)や海岸の入り組んだ地形により、津波が沿岸で増幅されやすい性質があります。また、歴史的にプレート境界やプレート内部での大きな地震が繰り返し発生してきた地域であるため、大規模な津波を引き起こす地震が起きると被害が甚大になりやすいのです。これらの地形的・地震学的特徴は気象庁や関連研究でも指摘されています。地震本部+1

歴史が示す大地震・大津波 — 教訓と記録

三陸沖・三陸沿岸は歴史的にも甚大な津波被害を受けてきました。代表的なものを挙げると:

  • 明治三陸(1896年):大津波により沿岸で甚大な被害が発生し、多数の死者・行方不明者を出しました。高台移転などの対応がその後の教訓となっています。防災ポータル
  • 昭和三陸(1933年):これも大津波を伴う大地震で、地域の復興計画や防災対策に大きな影響を与えました。農林水産省
  • 東日本大震災(2011年):マグニチュード9級の巨大地震と大津波により沿岸部で壊滅的な被害が発生し、都市・漁業・ライフラインに長期的影響を残しました(この事例は地震と津波の恐ろしさを改めて示しました)。

これらの事例から得られる共通の教訓は、(A)高台や堅牢な避難所への迅速な避難、(B)津波到達後も波が繰り返すことを想定した行動、(C)沿岸に戻らない判断、(D)日頃の情報確認と家族の避難計画、の重要性です。

「今の活動」は将来の大地震につながるのか — 科学的な見方

小〜中規模の地震が連続していること自体は、地殻応力の再調整や余震活動、あるいはプレート内部での局所的な活動を反映していることがあります。三陸沖ではプレート境界型(巨大地震を起こしうる)やプレート内部の正断層型(比較的小規模に留まりやすい)など、複数のタイプの地震が発生してきました。気象庁や地震調査研究機関は、局所の地震活動が大規模地震の「前兆」と断定することは困難だとしつつ、活動の変化に応じて観測網の強化や注意喚起を行っています。常に最新の公式情報を確認することが重要です。地震本部+1

被災を減らすために今すぐできること(実践チェックリスト)

  1. 情報経路の確認:気象庁の地震情報、自治体の防災メール、ラジオを受信できる体制を整える。気象庁データサイト
  2. 避難先の確認と訓練:自宅から最寄りの高台、避難ビル、ルートを家族で共有し、年に1回は実際に歩いて確認する。
  3. 非常持ち出し袋の準備:飲料水(最低3日分を目安)、携帯充電器、常備薬、簡易トイレ、懐中電灯、ラジオ、現金など。
  4. 沿岸ではまず高台へ:地震を感じたら津波警報の有無にかかわらず、海岸から離れて高台へ避難する(津波は数分〜数十分で到達することもある)。
  5. 地域の避難計画を確認:避難所の場所・受け入れ条件、ペット対応、交通遮断時の代替ルート等を事前に確認する。

最後に — 情報の扱い方と冷静な行動を

地震は予測が難しく、複数の小さな揺れが続くと心理的にも不安が募ります。重要なのは「確かな情報源(気象庁・自治体・大学・研究所の発表)」を基に冷静に行動することです。地域で過去に起きた事例を学び、防災計画を見直す良い機会として活かしてください。公式の最新地震情報や津波情報は常に確認しましょう。気象庁データサイト+1

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