1. 斉藤代表の「与党復帰」発言とその波紋
2026年1月8日、神戸市で開催された党会合において、公明党の斉藤鉄夫代表は以下のように述べました。
「将来的な与党復帰が目標だ。国民の信頼を勝ち得れば、再び与党として政策実現で力を発揮できる」
長らく自民党と連立政権を組んできた公明党ですが、現在は連立を解消し、**「是々非々の野党」**として活動しています。そのトップが「再び与党へ」と明言したことは、政界に大きな衝撃を与えました。
2. なぜ「反発」が相次いでいるのか?
この発言直後から、党内や支持母体、そしてSNS上では厳しい声が上がっています。主な理由は以下の3点です。
① 「自民党への回帰」への拒絶感
現在、高市早苗首相率いる自民党は、防衛力の強化や積極財政など、保守色の強い政策を推し進めています。かつて「平和の党」「福祉の党」として自民党のブレーキ役を自認していた公明党の支持層にとって、今の自民党と再び手を組むことへの心理的ハードルは極めて高くなっています。
② 斉藤代表の「火消し」と論理の矛盾
反発の強さを受け、斉藤代表は翌9日に**「今の(高市)自民党政権に戻るという意味ではない」**と異例の釈明を行いました。しかし、「与党復帰を目指す」と言いつつ「現政権ではない」とする説明は、「ではどの勢力と組むのか?」という新たな疑問を生み、党の立ち位置をさらに不透明にしています。
③ 2026年度予算案への厳しい批判
斉藤代表自身、年始の街頭演説では政府の予算案に対し「国民生活への配慮に欠ける」と厳しく批判していました。政権を批判した直後に「与党に戻りたい」とする姿勢が、一貫性に欠けると映っています。
3. 「真冬の決戦」を前にした公明党の焦り
高市首相による「1.23通常国会冒頭解散」の検討が報じられる中、公明党には強い焦りが見えます。
- 埋没への危機感: 自民党が高い支持率を維持し、立憲民主党や国民民主党が激しく火花を散らす中、野党としての公明党が埋没し、存在感を失うことへの恐怖。
- 選挙協力の不透明化: かつてのような自公の固い選挙協力が期待できない中で、独自の集票力をどう維持するか。
「与党復帰」という目標は、離れていく支持層を引き止め、党員に「再び政権のど真ん中へ」という希望を与えるためのカンフル剤だったはずが、皮肉にも党内の亀裂を露呈させる結果となってしまいました。
4. 今後の展望:公明党はどこへ向かうのか
今後の焦点は、2月に予想される衆院選で公明党が**「どの党と、どのような距離感で戦うのか」**です。
- 自民党との限定的な協力(選挙区調整など)に留めるのか。
- **独自の「第三極」**としての道を鮮明にするのか。
- 野党共闘に一部加わるのか。
斉藤代表の「原点に立ち返る」という言葉通り、結党の精神である「大衆とともに」をどう具現化するのか。その答えが出ないまま「与党復帰」という言葉だけが独り歩きしている現状は、公明党にとって結党以来の正念場と言えるでしょう。
まとめ:問われる「中道」の真価
「与党でなければ政策は実現できない」という現実主義と、「今の政権とは一線を画すべき」という理想主義。その狭間で揺れる公明党の姿は、今の日本政治の混迷を象徴しています。
2月の決戦に向け、斉藤代表がどのように党をまとめ上げ、国民にその存在意義を証明するのか。その舵取りに注目が集まっています。