いじめ、不登校、ヤングケアラー…もう子どもは勉強どころじゃない
こんにちは。今回は日本の公立学校が抱える深刻な問題について、真正面から書いてみたいと思います。
子どもたちは今、学校という「学びの場」で、学ぶどころか生きることすら困難な状況に置かれていることが少なくありません。
「いじめに毎日怯えてる」
「家の世話をしないと学校に行けない」
「学校に行かなくなって何ヵ月も経った…」
こうした声は決して少数派ではなくなってきています。
この記事では、いま日本の公立学校で起きている「ヤバい現実」を、具体的な例とともに紹介し、背景や問題の根本について考えます。
◆ 【実態①】いじめ:数字には出ない“静かな暴力”
文科省によれば、2023年度のいじめ認知件数は約68万件超。
過去最多を更新し続けています。
しかし、これは“認知された数”。
つまり、見えていないいじめはさらに多いということです。
🔻 たとえば…
中1女子・都内
「無視・陰口・LINEグループからの排除」が日常
担任に相談するも「それぐらいよくあること」
毎朝、登校前に過呼吸を起こし、半年後に不登校に
いじめは直接的な暴力だけではありません。
無視・仲間外れ・ネットでの中傷など、静かな暴力が今は主流です。
そして教師が対応しきれない・見て見ぬふりというケースもまだまだ多い。
◆ 【実態②】不登校:学校に行かない子はもう“異常”ではない
文部科学省によると、2023年度の小中学生の不登校は約29万人超。
過去最多です。
つまり、**1クラスに1〜2人は不登校が「当たり前の時代」**に入っています。
🔻 実際の声
小5男子・大阪府
「教室が怖い。先生が怒鳴る。友達がふざけて叩く」
→ 教室に入ると吐き気。保健室登校から、やがて完全不登校へ
→ 家庭は共働きで放置気味。スマホとゲームが居場所に
不登校の理由は複雑で、「甘え」「親のせい」といった単純なレッテルでは説明できません。
- 教室環境が合わない
- いじめ
- 教師との相性
- HSP(感覚過敏)など特性の未理解
などが複雑に絡みます。
◆ 【実態③】ヤングケアラー:家庭を支える小中学生たち
ヤングケアラーとは、本来大人が担うべき家族の介護・家事・育児などを子どもが日常的に担っている状態です。
厚労省の調査(2022年)では、
**中学2年生の約5.7%、高校2年生の約4.1%**が該当。
これは、約20人に1人という高い割合です。
🔻 実例
中2女子・愛知県
父は仕事、母はうつ病で寝たきり
弟(5歳)の保育園の送り迎え、食事作り、洗濯が毎日の日課
→ 朝は登校できず、遅刻や欠席が増える
→ 学校では「やる気がない」と誤解され、孤立
学校は「ヤングケアラー」を理解しておらず、単なる“問題児”扱いになることも少なくありません。
◆ なぜこんな状況に?背景にある5つの要因
- 家庭環境の多様化・貧困の増加
ひとり親・共働き・介護家庭などが増加し、親も子どもを支えきれなくなっている。 - 学校の余裕のなさ
教員は多忙で疲弊し、個別の問題に対応できない(例:1人の教師が40人を見ている中学) - 価値観の硬直化
いまだに「出席第一」「空気を読め」「みんなと同じが正義」という昭和的価値観が根強い。 - ICT・SNSの闇
スマホやSNSでのいじめや孤立は、教師や親が気づきにくく深刻化しやすい。 - 子どもへの精神的ケアが弱い
スクールカウンセラーの配置が間に合っておらず、心のケアが後回し。
◆ 「学び」どころではない現実
多くの子どもたちは、すでに「教科書が開けない」「教室に入れない」「誰も信じられない」状況にあります。
この状態で「もっと勉強しなさい」「なぜ宿題をやらない」と言われても、耳に入るはずがありません。
学力以前に、「安全・安心」が崩壊しているのです。
◆ 解決への道はあるのか?
現実は厳しいですが、少しずつ動き出している自治体や学校もあります。
✅ 具体的な取り組み例:
- 【福岡市】全中学校に常勤のスクールソーシャルワーカーを配置
- 【長野県】フリースクールやオルタナティブ教育の自治体連携
- 【東京・杉並区】ヤングケアラー調査とケア支援窓口の常設
✅ 個人レベルでできること:
- 子どもの話をよく聞く(説教より共感)
- 学校だけに頼らず、NPOや地域活動も頼る
- 無理に「学校に戻す」より、本人の意思を尊重
◆ 最後に:未来のために、大人が変わるとき
「最近の子どもは弱い」
「昔はもっと厳しかった」
こうした声もよく聞きます。
でも、今の社会は昔とまったく違う。
核家族化、孤立、SNS、貧困、精神疾患――
そのすべてが、今の子どもを押しつぶしているのです。
勉強も大切。
でも、それ以上に**「安心できる環境」**が今は求められています。
未来をつくる子どもたちを守るのは、私たち大人の責任です。