いまの日本社会を見て、「この国はもう自力で立て直せないのでは?」と感じている人は少なくありません。政治は停滞し、経済は低迷、少子高齢化は加速し、国民は疲弊しています。
そんな中で一部では「もはや日本を本気で変えることができるのは、トランプ大統領のような強烈なリーダーしかいないのではないか?」という声すら上がっています。
これは極論に聞こえるかもしれませんが、**「何も決められない日本」**の実態を知れば知るほど、そうした考えに共感する人も増えているのです。
日本の「意思決定不能国家」ぶりを示す具体例
1. 少子化対策:30年以上も「検討」中
1990年、合計特殊出生率が1.57となり、「1.57ショック」と言われてから30年以上。これだけ時間があったにもかかわらず、出生率は2023年に過去最低の1.20にまで落ち込みました。
にもかかわらず、政府は「子ども未来戦略」「異次元の少子化対策」など耳障りの良い言葉を繰り返すばかり。保育士不足も待機児童問題も、根本的には放置されたままです。
2. 防衛と安全保障:「周りの顔色を見ながら」
日本周辺では中国・ロシア・北朝鮮が軍事力を急拡大。2022年には北朝鮮のミサイルが日本上空を飛び越え、国内でもJアラートが鳴動。しかし、日本政府は「遺憾砲」と言われる声明を出すだけで、実効的な抑止策は取れていません。
憲法改正に至っては何十年も「議論の入り口に立つための検討を検討中」という体たらく。国家としての意思決定能力が問われています。
3. 政治の停滞:派閥解体でかえって「空洞化」
かつて自民党内には実力派の派閥があり、政策議論と政治的駆け引きがありました。しかし、派閥政治が「悪」とされ、次々と形骸化・解体。結果として、政策決定の責任主体が不明瞭になり、「誰が決めているのか分からない政治」になってしまいました。
たとえば岸田政権が掲げた「増税なき財政再建」も、結局は増税に次ぐ増税。責任を問われても「財務省の圧力」や「党内調整」として個人は責任を取らず、政治の空洞化が進んでいます。
なぜ「トランプ待望論」が一部で語られるのか?
もちろん、アメリカの元大統領であるドナルド・トランプ氏が日本の首相になれるわけではありません。しかし、彼のように「忖度しない」「既得権益をぶっ壊す」「強引にでも改革を進める」リーダー像に憧れる国民がいるのは事実です。
トランプの象徴的な行動
- メディアや官僚に対しても臆さず直接批判
- 米中貿易戦争で中国に圧力をかけ、自国の利益を最優先
- 不法移民や治安問題への強硬策
こうした「決断と実行を恐れない政治姿勢」に、日本の現状と真逆の“リーダーシップ”を見出す人が多いのです。
日本が「決められない国」になった根本要因
- 空気を読む文化:衝突を避け、曖昧な表現に終始
- 責任の分散:合議制・委員会文化で誰も責任を取らない
- 世論の顔色を伺う政治:支持率至上主義で腰が引ける政治家
- 役所主導の政策形成:政治家がビジョンを語らず、役所に従うだけ
結果として、「大胆な改革」や「社会の痛みを伴う構造転換」はほぼ不可能になっています。
日本に必要なのは「トランプ」ではなく「覚悟」
本当に必要なのは、トランプ氏のようなカリスマではなく、恐れずに意思決定できる政治家、そしてそれを支持する市民の覚悟です。
- 国の将来を見据えた政策には痛みが伴う
- ポピュリズムではなく、長期的視点のリーダーが必要
- 批判や反発を恐れず、実行力で信頼される人物が求められる
まとめ:外圧を待つのではなく、自ら動く時
「結局、日本を変えるにはトランプのような外圧が必要なのか?」
――そんな声が出てしまうほど、日本の政治や行政は麻痺しています。
しかし、答えはNOです。
本当に日本を変える力を持っているのは、私たち有権者です。
私たちがもっと声を上げ、選挙に行き、政策を吟味し、意思を示すことでしか、国の進路は変わりません。
「誰かが変えてくれる」のではなく、**「自分たちで変える」**という意識を持たなければ、この国は本当に何も決められないまま、衰退していくでしょう。