2024年から2025年にかけて、日本の消費者はかつてないほどの「価格の重圧」にさらされています。スーパーに行けば食品が値上がりし、ガソリン代も高止まり。さらに電気代や日用品の価格まで上がり続けているにもかかわらず、給料は思うように伸びていません。

「もう何も買わない方がいいのでは?」という声もネット上で多く見られるようになりました。
今回はこの問いに対して、具体的な事例や経済背景を交えながら考えてみたいと思います。


1. 生活を直撃する物価高騰──その実態とは?

2025年春現在、日本の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.2%上昇。特に目立つのは以下の品目です:

  • 食品(加工食品):冷凍食品やパンなどが平均5〜10%値上がり
  • 電気代・ガス代:燃料費調整額が上昇、再エネ賦課金も増加
  • 外食費:牛丼チェーンやラーメン屋でも軒並み100〜200円の値上げ

▶ 具体例:コンビニの「おにぎり」が高級品に?

2022年までは100円台で買えたコンビニおにぎりが、2025年には180〜220円台が主流に。毎日2つ買えば月に約1万円超の出費。これでは「贅沢品」と感じてしまうのも無理はありません。


2. 上がらない給料──実質賃金マイナスのからくり

政府や経団連は「賃上げ率は30年ぶりの水準」とアピールしますが、実質はどうでしょうか?

  • 名目賃金:前年比+2.5%(上がっているように見える)
  • 実質賃金:前年比−1.1%(物価上昇に負けている)

つまり、稼ぎが増えても生活は苦しくなる一方ということです。

▶ 具体例:年収400万円の会社員のケース

年収が10万円アップして410万円になったとしても、物価が3%上昇していたら年間の生活コストは約12万円増。実質的には赤字になります。


3. 「買わない生活」は正解か?──その是非と限界

◾ メリット:消費を絞ると見える“本当に必要なもの”

  • 衝動買いや無駄遣いが減る
  • ミニマリズム志向でストレスも軽減
  • 物を大事に使う習慣が身につく

◾ デメリット:経済の悪循環に拍車をかける

  • 消費が減る → 企業の売上が減る → 賃上げできない → さらに買えない
  • サービスの質や選択肢が減少
  • 中小企業や地元商店の経営悪化

「みんなが買わない」状態は、一時的に生活は守れても、長期的には経済をさらに悪化させます。


4. では、どうすればいいのか?──“賢く買う”という選択肢

▶ ポイント1:値上げに強い「国産・地場ブランド」を選ぶ

海外輸入に依存しない商品は為替の影響を受けにくいため、価格安定性が高い。

:地方の農家直送の野菜・味噌・米など
→ ふるさと納税なども活用すれば実質負担ゼロで手に入る場合も。


▶ ポイント2:「使い捨て」から「再利用・長寿命」にシフト

  • 安いけどすぐ壊れるものより、多少高くても長く使えるものを
  • 家電、家具、衣類などは“修理前提”で選ぶ

:無印良品の家具や、修理可能なメーカーの家電(バルミューダ、シャープなど)


▶ ポイント3:節約ではなく「戦略的消費」へ

  • 本当に必要な体験やスキルにはお金を使う(教育、健康、資格など)
  • 投資的な支出(例:電気代を減らす太陽光導入、スマート家電)も検討

結論:「もう何も買わない」は短期的な防御策。でも“未来の投資”は忘れずに。

物価が上がり続け、給料が追いつかない今の日本。確かに「買わない」は一つの選択肢です。しかし、買うことすべてが悪いわけではありません。むしろ、「何を買うか」「どこから買うか」「どのタイミングで買うか」を見直すことが、現代の賢い生き方と言えるでしょう。

“節約”ではなく、“選択と集中”。

これからの時代、私たちは「お金の使い方」で人生の質を左右されるのかもしれません。

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