本文
2025年8月14日23時18分頃、静岡県中部を震源とする地震が発生しました。
震源の深さは約20km、マグニチュードはM3.9。最大震度3を静岡県内で観測しました。幸い、この地震による津波の心配はありません。
揺れの詳細
最大震度3を観測したのは静岡市葵区・駿河区、焼津市など。短時間ながらハッキリとした横揺れが感じられ、「夜中に急に目が覚めた」「棚の小物が数秒間カタカタ鳴った」といった声がSNSで寄せられています。震度2の揺れは藤枝市や島田市、さらには静岡県西部の一部にも及びました。
静岡県中部と南海トラフの地震活動
静岡県中部は、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込む境界に近く、南海トラフ巨大地震の想定震源域の北縁部に位置しています。
南海トラフ巨大地震は、静岡県から九州沖にかけての広大なプレート境界が一気にずれることで発生し、最大震度7、津波高20m超といった甚大な被害が予測されています。
今回のM3.9規模の地震は南海トラフの直接的な前兆とは言えませんが、プレート境界付近の応力変化を示す小規模な地震活動の一部である可能性はあります。過去にも以下のような事例があります。
- 2004年9月5日:静岡県中部でM4.0前後の地震が数回発生。その2か月後、紀伊半島沖でM7.4の地震(東南海地震に似た震源域)が発生。
- 2011年3月9日:三陸沖でM7.3の地震が発生した2日後、東日本大震災(M9.0)が発生。小規模地震が必ず大地震につながるわけではないが、連動型地震の前段階として複数回記録された事例がある。
防災上の注意
- 家具固定や避難経路の確認:震度3クラスでも家具や家電が動くことがあります。
- 津波情報の確認:今回の地震は津波なしでしたが、南海トラフ発生時は数分で到達する地域もあります。
- 地域防災訓練への参加:静岡県は9月1日の防災の日に合わせて合同訓練を実施予定。実践的な避難行動を体験できます。
まとめ
今回の地震は規模こそ小さいものの、発生場所や地質的背景から、南海トラフ地震を意識せざるを得ない地域での揺れでした。
静岡県は全国でも防災意識が高い地域ですが、「いつか来る」ではなく「今日来るかもしれない」という心構えが必要です。