かつて「60歳で定年退職して、老後はゆっくり暮らす」という人生設計が多くの日本人にとって常識でした。
しかし2025年の今、現実は大きく変わっています。

年金不安、物価高、円安、そして長寿化。日本ではいまや「定年後も働き続けるのが当たり前」という“死ぬまで労働”フェーズに突入していると言っても過言ではありません。

この記事では、日本人の働き方がどれだけ過酷か、そして海外ではどう違うのかを具体例とともに詳しく解説します。


■ そもそもなぜ“死ぬまで働く”時代になったのか?

1. 年金では生活が成り立たない

  • 総務省家計調査によると、65歳以上の夫婦世帯の平均支出:約26万円/月
  • 一方で、年金収入の平均は約20万円前後。→ 毎月6万円以上の赤字!

2. 物価・税金・社会保険の上昇

  • 2024年以降、電気・ガス料金、食品価格、保険料が軒並み値上げ
  • 「老後の生活費」は1億円とも言われる時代に

3. 70歳就業法の施行

  • 政府は企業に70歳までの就業機会確保を努力義務として要請(2021年施行)
  • 企業も人手不足や熟練人材確保の観点から高齢者を戦力化

■ 日本の“死ぬまで労働”のリアル

▼ 具体例:再雇用の現場(東京都・71歳・元営業職)

「65歳で定年したが、月10万円の年金では生活できず、再雇用で週5日勤務中。正社員時代より給料は半分以下なのに、仕事の責任はほぼ変わらない。」

▼ コンビニや物流現場での高齢者労働

  • 70歳以上の配送ドライバー、警備員、スーパーのレジ係などが増加中
  • 事故リスクや健康被害も懸念されている

■ 海外では“早く・短く働く”が当たり前?

◆ フランス:退職年齢をめぐって大規模ストライキ

  • 法定退職年齢が62歳 → 64歳への引き上げに国民が猛反発
  • 多くの人が「60代はすでに老後生活の一部」という感覚

◆ ドイツ:週4日制の実験拡大

  • 労働時間を減らしても生産性が上がるという研究結果をもとに、
    週4日労働の導入実験が全国で拡大中
  • 「仕事と人生のバランス」が政策の中心

◆ オランダ:パートタイムが主流

  • 男女問わず短時間勤務が普及(週30時間程度が一般的)
  • フルタイムで働くことに“がんばりすぎ”という意識も

■ 日本と海外の違いは「働く価値観」

項目日本欧州諸国(例:フランス、ドイツ)
労働時間長い(週40〜60時間)短い(週30〜35時間)
退職年齢実質70歳超えも60〜64歳が一般的
働く目的生活のため・我慢自己実現・生活とのバランス
働かないことへの意識「怠けている」と見られがち「人生を楽しんでいる」とされる

■ 「働き続けるしかない」未来を変えるには?

  • 企業の制度改革:週休3日、フレックス、副業OKなど柔軟な制度の導入
  • 政策支援:年金制度の再構築、生活保護の強化、ベーシックインカム議論
  • 働く人のマインド変革:「頑張りすぎない」ことを認める社会風土の構築

■ 結論:「長く働く」が正解とは限らない

日本では“働けるうちは働く”という価値観が根強いですが、それが人生を豊かにするとは限りません。
海外の事例に学び、「働きすぎずに幸せに暮らせる」社会を目指す議論と行動が、今こそ求められています。


💬 あなたは何歳まで働きたいですか?

もし「一生働かないと生きていけない…」と感じるなら、それはあなたの問題ではなく、社会の仕組みが時代に合っていない証拠かもしれません。

未来を変える一歩は、“気づくこと”から始まります。

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