やっぱり、民度が高いと言える理由とは?
■ 結婚しない若者が増えている。でもそれは「わがまま」ではない
日本ではここ数年、**「結婚しない若者」や「生涯未婚率の上昇」**が話題になっています。
しかし、よくよく理由を聞いてみると――
「結婚したいけど、相手に迷惑をかけたくない」
「子どもを育てる自信がない」
「安定した収入がないまま家庭を持つのは無責任だと思う」
こうした声が多く、単なる自己中心的な選択ではなく、“相手の人生や社会への配慮”から結婚を避けている人が多いことが見えてきます。
これって、むしろ“民度が高い”のではないでしょうか?
■ データで見る「結婚とお金」の現実
厚生労働省や国勢調査のデータからも、「収入」と「結婚率」は明確に関連していることがわかっています。
▷ 男性の年収と結婚率(35~39歳)
- 年収600万円以上:既婚率70%以上
- 年収200万円未満:既婚率20%以下
同様に、女性も正規雇用か非正規かで既婚率に大きな差があるという調査結果も出ています(国立社会保障・人口問題研究所)。
■ それでも「無理に結婚しない」のが日本人らしさ?
多くの先進国では、お金がなくても結婚・出産する人が一定数いるのに対して、日本では違います。
▷ アメリカの例
- 生活保護や支援を受けながら出産・子育てするシングルマザーが多数
- 未婚での出産比率は約40%(日本は10%以下)
▷ 日本では?
- 出産前に「結婚できるか」「子どもを育てられるか」を慎重に判断
- 結果、「できないと思ったら踏み出さない」
つまり、日本人は**「自分が幸せになりたい」よりも「他人や子どもを不幸にしたくない」という倫理観**が強いのです。
■ 具体例:20代〜30代の「やめておく」判断
■ 例1)27歳男性・非正規雇用(年収210万円)
「同棲していた彼女がいたけど、結婚して子どもができたら自分の収入じゃ絶対に無理だと判断して別れた。悲しかったけど、無責任にはなれなかった。」
■ 例2)32歳女性・派遣社員(年収280万円)
「結婚の話が出たけど、相手も契約社員で安定していない。『2人で苦労しよう』って言われたけど、私は『子どもが不幸になるなら産みたくない』と思ってしまった。」
このように、**“覚悟がない”のではなく、“責任感が強すぎる”**がゆえに結婚をためらう人が多いのが今の日本。
■ 民度とは「見えないところの思いやり」から生まれる
よく「日本人は民度が高い」と言われますが、その意味は何でしょうか?
それは、**「他人に迷惑をかけない」「先を見越して行動する」「弱者を守ろうとする」**という文化の中にあると思います。
- 貧困状態で無理に子どもを持たない
- 相手の将来を考えて自分から身を引く
- 社会保障に過度に頼らず、自立を目指す
こうした行動は、見えにくいけれどとても高い倫理観の表れです。
■ 「お金がないから結婚できない」は恥ではない
一部では「結婚できない人=ダメな人」という価値観も残っていますが、それは大きな誤解です。
むしろ、「無責任に家庭を持つより、責任を取れる選択をする人」のほうが、よほど立派です。
■ まとめ:民度が高いとは、「相手を思いやって選ばない勇気」
よくある誤解 | 実際にはこう |
---|---|
結婚しない=自己中心的 | 結婚しない=相手を思っての選択 |
貧乏だから結婚しない=負け組 | 責任を果たせないから無理をしない=理性的 |
出産しない=将来に希望がない | 子どもを幸せにできるかを真剣に考えている |
■ 最後に:本当に必要なのは「思いやりに報いる社会」
日本人の「結婚しない選択」は民度の高さから来ている――
でも、それが報われない社会では悲しすぎます。
だからこそ今、国や自治体にはこうした人々の思いやりに応える形で、
- ✅ 若者の住宅・教育・出産費用の支援
- ✅ 非正規・低所得者向けの生活安定策
- ✅ 働く人全体の賃金底上げ
などの支援策が求められています。
「結婚は自己責任」ではなく、社会の土台が整ってこそ可能な選択です。
「結婚しない若者たち」=「未来を考えて行動する民度の高い人々」。
そんな見方が、もっと広がっていくことを願います。