1. 災害級の猛暑!「命がけの通勤」が引き起こす現実

連日、全国各地で気温40℃を超える「災害級の暑さ」が続いています。 テレビやニュースでは「不要不急の外出は控えてください」と連呼されていますが、多くの会社員にとって、それは絵空事。満員電車に揺られ、アスファルトの照り返しに焼かれ、会社に着く頃にはすでにヘトヘト…。

「熱中症は屋外作業だけの問題」という認識は、もはや通用しません。 実際、猛暑日の朝、汗だくで出社した後に体調を崩し、早退や欠勤を余儀なくされる社員が急増しています。通勤ラッシュの電車内は、熱気と湿気がこもり、まさにサウナ状態。会社に着いた頃には、すでに脱水症状の一歩手前という社員も少なくありません。

具体例:

  • 満員電車で通勤していたAさん(30代)は、出社後、激しい頭痛と吐き気に襲われ、ミーティング中に意識が遠のき救急搬送された。
  • Bさん(40代)は、会社に着くまでの間に熱中症の初期症状が出ていたが、「会社を休むわけにはいかない」と無理をして業務を続行。昼頃、立ちくらみで倒れ、救護室でしばらく休むことになった。

これらの事例は、もはや他人事ではありません。 社員の健康は、会社の生産性に直結する重要な経営資源です。しかし、なぜ多くの企業、特にリーダーたちは、この喫緊の課題に対応できないのでしょうか?

2. 「誰も何も決められない」リーダーの3つのタイプ

猛暑日の対応について、リーダーが明確な方針を打ち出せない背景には、いくつかの共通するパターンが見られます。

タイプ1:思考停止型リーダー

「毎年、夏は暑いものだ」「皆、通勤しているんだから大丈夫だろう」と、問題そのものを認識していないリーダーです。過去の慣例に囚われ、「在宅勤務」や「時差出勤」といった新しい働き方を導入することに抵抗があります。

  • 具体例: * 「去年も暑かったけど、何も問題なかっただろう?」と、現状のリスクを過小評価する。
    • 「テレワークにすると、仕事の進捗が分からない」と、部下のパフォーマンスを管理できない不安から、柔軟な働き方を拒否する。

タイプ2:責任転嫁型リーダー

「各自で体調管理をしっかりするように」と、全てを社員個人の責任にしてしまうリーダーです。自分自身が意思決定するリスクを避け、問題が起きた際に「自己責任だ」と言えるように予防線を張ります。

  • 具体例:
    • 「熱中症予防のため、各自で水分補給をしてください」という、当たり前すぎる指示しか出さない。
    • 「体調が悪い人は無理しないで休んでいいよ」と言う一方で、業務の遅れについては厳しく追及し、社員に「休みにくい」と感じさせる。

タイプ3:前例踏襲型リーダー

「ウチの会社では今までそうしてきたから」と、過去の成功体験や慣習から抜け出せないリーダーです。新しい状況に合わせて、ルールや仕組みを変えることへの勇気がありません。

  • 具体例:
    • 「他社がやっているからといって、ウチも同じようにやる必要はない」と、変化の兆しを無視する。
    • 猛暑が続く中でも、定例の朝会を全員出社で実施し、オンライン参加を認めない。

3. 今、リーダーに求められる「意思決定」と「行動」

このような状況を打破するために、会社のリーダーには何が必要なのでしょうか。

1. リスクを認識し、迅速な意思決定を行う

「社員の健康と安全」は、会社の存続に関わる最大のリスクです。リーダーはまず、このリスクを正しく認識し、迅速に**「やるべきこと」**を決めなければなりません。

  • 具体例:
    • 気温や暑さ指数(WBGT)が一定の基準を超えた場合、自動的に在宅勤務に切り替えるルールを定める。
    • 「不要不急の出社」を避け、オンラインでの会議を推奨する。

2. 状況に応じた柔軟な対応策を示す

すべての社員が同じ環境で働いているわけではありません。通勤に時間がかかる社員、持病を持つ社員など、個々の事情に配慮した柔軟な対応策が必要です。

  • 具体例:
    • **「コアタイムのないフレックスタイム制」**を導入し、通勤ラッシュを避けた出社を可能にする。
    • 現場でしかできない業務がある場合でも、**「休憩時間の増加」「冷房完備の休憩所の確保」**など、具体的な対策を講じる。

3. 従業員への明確なメッセージを発信する

「会社の判断」として、社員の健康を第一に考える姿勢を明確に伝えることが重要です。これにより、社員は安心して柔軟な働き方を選択できます。

  • 具体例:
    • **「命が一番大事です。無理な出社はしないでください」**と、トップから全社にメッセージを発信する。
    • 「体調不良の場合は、迷わず休むように」と伝え、休むことへの心理的なハードルを下げる。

まとめ:リーダーの行動が未来を決める

地球温暖化が進む今、猛暑は一時的な現象ではなく、恒常的なリスクとなりつつあります。 「何も決めない」こと、現状維持を選ぶことは、社員の健康を危険にさらし、企業の未来を危うくする行為です。

今こそ、会社のリーダーは過去の慣習から脱却し、**社員の命を守るための「危機管理」と「意思決定」**を実行する時です。その行動こそが、社員の信頼を築き、結果的に企業の持続的な成長につながるのです。

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