和歌山県白浜町といえば、かつては**「パンダの町」**として知られ、多くの観光客を魅了してきました。しかし、ジャイアントパンダ「永明(えいめい)」「桜浜(おうひん)」「桃浜(とうひん)」が中国に返還されてから、状況は一変しました。

この夏、町のホテル宿泊者数が前年比で1万人も減少したことが明らかになり、観光業界に大きな衝撃が走っています。この危機に直面し、白浜町長は「客が少なくなったのはパンダのせい」という認識を断ち切る必要があると語りました。


1. パンダがいなくなって起きた現実

パンダは、アドベンチャーワールドの集客の柱であり、白浜町全体に大きな経済効果をもたらしていました。

  • 具体的な例:
    • パンダの公開日には、アドベンチャーワールドの入場ゲートに長蛇の列ができ、周辺の駐車場は満車。
    • 多くの観光客が、パンダを見るために遠方から白浜を訪れ、宿泊施設や飲食店、お土産店を利用していました。

しかし、パンダの返還後、この賑わいは失われました。ホテル宿泊者数が1万人も減ったということは、1日あたり約110人の宿泊客が減少した計算になります。これは、小さな旅館にとっては存続を揺るがすほどの大きな打撃です。


2. 町長が語る「パンダのせい」からの脱却

このような厳しい状況に対し、白浜町の町長は強い危機感を表明しました。

「客が少なくなったのはパンダのせいだ、という認識を町全体で断ち切らないといけない」

この言葉は、パンダという絶対的な集客コンテンツに依存してきた町が、今こそ新しい魅力を創造する必要があるというメッセージです。


3. 「パンダの町」からの脱却は可能か?

白浜町には、パンダ以外にも素晴らしい観光資源がたくさんあります。

  • 美しい自然:
    • 白良浜(しららはま): 「日本のハワイ」とも呼ばれる白い砂浜は、夏のリゾート地として有名です。
    • 円月島(えんげつとう): 夕日が沈む絶景スポットとして知られ、多くのカメラマンを惹きつけます。
  • 歴史と文化:
    • 白浜温泉: 1300年以上の歴史を持つ日本三古湯の一つで、泉質の良さから多くの湯治客が訪れます。
    • 熊野古道(くまのこどう): 世界遺産に登録されており、多くのハイカーが訪れます。

具体的な例:

  • 旅館の女将さんBさんは、パンダがいなくなった後、地元の漁師と協力して新鮮な魚介類を提供する「海鮮BBQプラン」を企画しました。
  • お土産店のCさんは、パンダグッズの売り上げが落ちた分、地元の梅干しやみかんを使ったオリジナル商品を開発しました。

まとめ:白浜の未来は「自分たち」の手で

パンダがいた頃の白浜は、その圧倒的な存在感によって、他の魅力が霞んでしまっていたのかもしれません。

今回のホテル宿泊者数の減少は、白浜町にとって大きな痛手であると同時に、町の真の魅力を再発見し、新しい観光戦略を立てる絶好の機会とも言えます。

町長が言うように、「パンダのせい」という他責思考を断ち切り、町全体が一体となって、白浜の新しい未来を築いていくことが、今最も求められています。

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