杉本達治氏と斉藤元彦氏。共に関西の進学校(灘高校など)から東京大学、そして総務省(旧自治省)へと進んだ超エリートです。二人が交差したのは、杉本氏が福井県副知事、斉藤氏が同県の財政課長を務めていた時代です。

1. 衝撃のセクハラ内容:権力による「支配」

杉本氏が職員に送ったとされるメッセージは、もはやコミュニケーションの域を超えています。

  • 具体例: 〈体が熱くなるの〉〈スカートの中に手を…〉といった、公的な立場を忘れた卑猥な言葉の数々。
  • 背景にある心理: 相手を「一人の自律した職員」ではなく、自分の欲求を満たすための「従属物」とみなす、歪んだ特権意識が見え隠れします。

2. 二人の「共通点」:官僚的エリート意識が生む「万能感」

上司だった杉本氏と、部下だった斉藤氏。二人の仕事の進め方や騒動の経緯には、驚くほど似通った点があります。

① 「正しいのは常に自分」という確信

  • 具体例: 斉藤知事は兵庫県議会で全会一致の不信任案を出されても「自分は正しいことをしている」と繰り返し、杉本前知事もセクハラ指摘に対し「親愛の情の裏返しだ」と強弁しました。
  • 構造: 総務省から地方へ「出向」してきたエリート特有の、**「現地の人間よりも自分の方が優秀であり、自分のルールが正義である」**という過度な自信(万能感)が、周囲の諫言を遮断させます。

② 徹底した「信賞必罰」と恐怖政治

  • 具体例: 斉藤知事の「パワハラ・おねだり疑惑」では、意に沿わない職員への厳しい叱責や配置換えが問題視されました。杉本前知事も、副知事時代からその辣腕ぶりで知られ、職員は「逆らえばどうなるか分からない」という恐怖心から、セクハラを長年拒絶できずにいました。
  • 共通点: 組織を「信頼」ではなく**「恐怖」と「利害」**でコントロールしようとする手法です。

3. 「上司・部下」の関係が育んだもの

杉本氏が副知事、斉藤氏が財政課長という、県政の財布を握る最強のコンビだった頃、二人は福井県の行財政改革を猛スピードで進めました。

この時の「実績を上げれば多少の強引さは許される」という成功体験が、後に二人が知事となった際、ブレーキの壊れた権力行使へと繋がった可能性があります。「効率」や「数字」を優先するあまり、「人間としての尊厳」を軽視する文化が、この師弟関係の中で醸成されてしまったのかもしれません。


4. まとめ:問われる「首長のガバナンス」

今回の問題の本質は、個人の性癖や性格だけではありません。

  • 外部からのチェックが働きにくい「知事」という独裁的ポジション。
  • 総務省出身者が地方自治体の要職を独占する「官僚支配」の構造。

杉本氏の1000通のメッセージは、その構造が生んだ「権力の暴走」の末路と言えます。斉藤知事もまた、かつての上司が辿った道(辞職と社会的信用の失墜)をどう見ているのでしょうか。

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