比例代表の投票用紙に、今は存在しないはずの「旧党名」を書いてしまったら、その1票は無効になるのでしょうか?それとも誰かの得票になるのでしょうか?

結論から言うと、今回の選挙では**「民主党」と書くと、その票はすべて『国民民主党』のものになる**可能性が極めて高いのです。


1. なぜ「民主党」票は案分されないのか?

これまでの選挙(2021年や2024年)では、立憲民主党と国民民主党の双方が略称を「民主党」としていたため、どちらの得票か判別できない票は、両党の得票数に応じて割り振る**「案分(あんぶん)」**が行われてきました。

しかし、2026年現在の状況は一変しています。

  • 具体例:
    • 中道改革連合: 立憲民主党と公明党が合流して誕生。届け出の略称は**「中道」**など。
    • 国民民主党: 略称を**「民主党」**または「国民」として届け出。

総務省の判断:

今回の比例代表において「民主党」という略称を届け出ているのは国民民主党だけです。そのため、有権者が良かれと思って、あるいは勘違いして「民主党」と書いた票は、中道改革連合(旧・立憲)には1票も行かず、すべて国民民主党の得票としてカウントされる仕組みです。


2. 旧党名「立民」「公明」と書いたらどうなる?

では、合流前の党名である「立憲民主党(立民)」や「公明党(公明)」と書いた場合はどうなるのでしょうか。

  • 原則は「無効票」:公職選挙法では、届け出のない政党名を記載した場合は原則として無効になります。中道改革連合は「中道改革連合」という新しい名称で名簿を届け出ているため、既に存在しない「立憲民主党」や「公明党」は、基本的には有効票になりません。
  • 具体例(総務省通達):ただし、総務省の通達では「開票管理者の判断」を尊重するとしています。判断の分かれ目:「中道改革連合」と書くつもりで、つい慣れ親しんだ旧称を書いてしまった……と客観的に判断できるかどうか。しかし、厳格に運用される自治体では**「無効票(他事記載など)」**として処理されるリスクが非常に高いです。

3. その他の略称はどう判断される?

総務省は28日付の通達で、各政党の略称の「有効・無効」の判断例を示しています。

政党名総務省が例示した有効な略称(例)
自由民主党自民党、自民、自
中道改革連合中道、中道連、改革連合
国民民主党国民、民主党、民主、国
日本維新の会維新、維
チームみらいチーム

4. 有権者が気をつけるべき「必勝の書き方」

「私の1票を、確実にあの党に届けたい!」と思うのであれば、以下の2点を徹底してください。

  1. 略称ではなく「正式名称」を書く:「中道」と書くよりも「中道改革連合」とフルネームで書くのが最も安全です。
  2. 「旧党名」は絶対に封印する:「民主党」と書くと、あなたが旧・立憲を支持していても、票はライバルの国民民主党へ流れます。また「公明」と書いても、中道改革連合の票にはなりません。

まとめ:あなたの1票を“迷子”にさせないために

政党の合流や新党結成が相次ぐと、有権者の頭の中にある「党名リスト」と、実際の「届け出リスト」にズレが生じます。

「民主党と書けば、かつての立憲と国民で分けてくれるだろう」というこれまでの常識は、2026年の今回は通用しません。

投票所に行く前に、掲示されている政党名をしっかり確認し、現在の正式な名称を書く。シンプルですが、これがあなたの意思を正確に政治へ反映させる唯一の方法です。

投稿者 ブログ書き