衆院選の投票に行くと、通常は「小選挙区」「比例代表」「国民審査」の3枚の投票用紙を渡されます。しかし、期日前投票が始まった直後の数日間は、「小選挙区」と「比例代表」の2種類しか投票できない期間が存在します。
1. 具体的な「ズレ」のスケジュール(2026年1月〜2月)
今回の選挙において、投票できる期間は以下の通り分かれています。
- 1月28日(水)〜1月31日(土):
- 衆議院選挙(小選挙区・比例代表)のみ投票可能
- ※国民審査はできません
- 2月1日(日)〜2月7日(土):
- 衆院選 + 国民審査 すべて投票可能
このように、公示直後の約4日間は、国民審査の投票箱がまだ設置されていないのです。
2. なぜ国民審査だけ「遅れる」のか?
これには、法律(国民審査法)による「印刷と告示」の兼ね合いという、極めて事務的な理由があります。
- 理由:裁判官が確定するのが遅いから 衆院選の公示日に、審査の対象となる裁判官が正式に確定します。それから全国一斉に数千万枚の「審査用投票用紙」を印刷し、各市区町村の投票所へ配送しなければなりません。
- 具体例: もし公示直後に国民審査も始めてしまうと、配送が間に合わない地域が出てしまい、「A市では投票できるのにB市ではできない」という不平等が生じてしまいます。これを防ぐため、法律では**「審査の期日(投票日)の7日前から」**期日前投票ができると定められているのです。
3. 現場で噴出する「有権者の不満」
実際に期日前投票所を訪れた有権者からは、以下のような具体的な不満の声が上がっています。
「仕事の合間にやっと来たのに、また来週来いっていうの? 裁判官の審査も大事な権利なのに、軽視されている気がする。」(40代・会社員)
「入り口に大きく『国民審査はまだできません』と書いておいてほしかった。中に入って説明されるまで気づかなかった。」(70代・主婦)
このように、「1回で済ませたい」というタイパ(タイムパフォーマンス)重視の現代において、この「二度手間感」が投票意欲を削いでいる側面は否定できません。
4. 損をしないための「賢い期日前投票」のコツ
二度手間を避け、確実にすべての意思表示をするためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 「2月1日(日)」以降に行く: この日以降であれば、3種類すべての投票用紙を一度に受け取れます。
- 「不在者投票」は別ルール: 出張先や入院先での「不在者投票」の場合は、あらかじめ郵送で書類をやり取りするため、また期間や手続きが異なります。お住まいの自治体のHPを必ず確認してください。
- 「国民審査」は白票だと「信任」扱い: 国民審査は、辞めさせたい裁判官に「×」をつける仕組みです。何も書かずに投じると「信任(辞めさせなくてよい)」とみなされる点も覚えておきましょう。
まとめ:制度の壁を知って、スマートに投票へ
「国民審査だけ期間が短い」という現状は、これまでも国会などで議論されてきましたが、配送や事務手続きの物理的な壁に阻まれています。
不便ではありますが、最高裁判所の裁判官は、私たちの生活に関わる法律の合憲性を判断する非常に重要な立場の人たちです。**「2月1日以降」**に期日前投票所へ行くスケジュールを組んで、大切な3つの権利をしっかり行使しましょう。