■ はじめに:誰もが「なんとなく終わってる」と感じている国
最近、友人や同僚との会話で、こんな空気を感じたことはありませんか?
- 「年金とかもうもらえる気しないよね」
- 「どうせ増税されるだけでしょ」
- 「子どもを育てる気力が湧かない」
- 「日本、もう無理じゃない?」
どれも極端なようで、実は多くの人が感じている本音です。
将来への“安心”も“夢”も持てず、かといって「逃げ切る」見通しも立たない。そんな閉塞感が、今の日本全体を包んでいます。
この記事では、「日本の将来に誰もハッピーなビジョンを描けなくなった」背景と、実際の具体例を交えながら、今何が問題なのかを掘り下げます。
■ ① 高齢化・少子化:どこまでいっても先細り
まず、日本が直面している最大の問題は、人口の構造が完全に崩れていること。
● 高齢者(65歳以上)の割合は、2024年時点で約30%。
● 子どもの出生数は80万人を下回り、過去最少。
● 働き手の数は年々減少中。
このままでは、社会保障・労働力・経済成長すべてが維持できません。
「将来を支える世代がいない国」に誰が希望を持てるでしょうか?
■ ② 年金も医療も「維持できない」ことが前提に
● 年金は「65歳から」ではなく「繰り下げ受給で70歳以上推奨」
● 医療費の自己負担割合もじわじわ増加
● 介護人材不足で、施設に入れず“老老介護”の現実
つまり、多くの人が感じているのは:
「年金はもらえないかもしれない」
「病気しても十分な医療は受けられないかも」
「親も自分も、誰にも頼れないかも」
これは不安ではなく、ほぼ“確定事項”として受け入れられ始めているのです。
■ ③ 物価は上がる、給料は上がらない、税金だけが上がる
● 2024年の物価上昇率は約3%前後
● でも賃金上昇は平均2%以下(実質賃金はマイナス)
● 所得税・住民税・社会保険料・インボイス制度など負担増加中
特に打撃を受けているのは、子育て世帯・非正規労働者・フリーランスです。
「家賃も光熱費も上がったけど、昇給はゼロ」
「結婚したくても、子どもを持つお金がない」
「フリーランスなのに消費税を納めろ?やってられない」
この国では、努力しても報われないという“現実”が可視化されつつあるのです。
■ ④ 若者も中年も「逃げ切り」の幻想を失った
かつてはこんな空気がありました。
「年金は無理でも、自分で貯金すればいい」
「投資すれば逃げ切れる」
「海外移住もありかも」
でも今、多くの人が気づき始めています。
- 円安と物価高で貯金も投資も焼け石に水
- 海外移住は物理的・精神的ハードルが高すぎる
- 貯金できる余裕がそもそもない
つまり、“逃げ道”すら閉ざされている状態。
上の世代のように「逃げ切る」ことが不可能だと気づいた人が多数派になったのです。
■ ⑤ 「国も企業も自分を守ってくれない」と気づいた瞬間
パンデミック、災害、インフレ、戦争…。
近年のさまざまな出来事を通じて、多くの人が感じたのは:
「国や企業は“自己責任”で乗り切れと言うだけだ」
- コロナ禍での補償の不十分さ
- 派遣・非正規切りの加速
- 増税を続ける一方で政治家は裏金問題
この“見捨てられ感”は、特に若者の間で深刻です。
**「この国に忠誠を尽くしても、報われない」**という感覚が社会に根を張りつつあります。
■ ⑥ 未来の「絵」が描けない社会
未来に対して「こうなっていたい」というビジョンがない。
- 成長も見込めない
- 結婚もできない
- 子育ても無理
- 老後も不安
- 働く意味も感じない
これは「個人の問題」ではありません。
社会そのものが、“生きる理由”を提供できていないのです。
■ それでも私たちは、どうにか生きていく
ここまでネガティブな話ばかりでしたが、最後に大事なことを。
今の日本は確かに厳しい。でも、「絶望」で終わらせないために、私たちは次の選択肢を考える必要があります。
✅ 小さな希望をつくる
- 地域コミュニティでの支え合い
- 自分の生活に合った「小さな豊かさ」の再発見
- 会社ではなく“仲間”をベースにした働き方
✅ 国を当てにしすぎない
- 自衛的なマネープラン(節約・副業・貯金)
- 精神的なセーフティネット(つながり・セルフケア)
✅ 問題に「名前をつける」ことが第一歩
- 「なんか生きづらい」は、あなたのせいじゃない
- 構造的にそうなっている、と理解することで、孤独感は減る
■ まとめ:日本は沈んでいる。でも、沈んでいることに気づいた人から動き出せる。
今の日本に希望を感じられないのは、あなた一人のせいではありません。
それは「個人の気持ち」ではなく、社会全体が沈みつつあるリアルです。
でも、沈んでいることに“気づいている”あなただからこそ、
次の時代をどう生きるか、考え始めることができるのです。
あなたの「不安」や「諦め」は、きっと誰かの共感を呼ぶ“種”になります。