もう日本は「ごはんすら食べられない国」になってしまったのか?
「お米が高くて買えない」
「昼食はもう食べてない」
そんな声が、若者からも家庭からも聞こえてくるようになりました。
“コメが主食”のはずの日本で、いま、ごはんすら満足に食べられない人が増えているという現実。これはもはや「異常事態」ではないでしょうか?
■ 米の価格がじわじわ上がっている!
お米は長らく“物価が安定した食品”として、庶民の食卓を支えてきました。
しかしここ数年で、米の価格も急激に上昇しています。
▶ 具体例:2020年と2025年の比較
年度 | 精米(5kg)価格の平均 |
---|---|
2020年 | 約1,700円〜1,900円 |
2025年 | 約2,500円前後 |
一部のブランド米や新米では、5kgで3,000円超えも当たり前になりました。
「安いお米すら“贅沢品”扱いになってきた」
― 40代・3人家族・パート主婦
食費を抑えるために“主食であるはずの米”を諦める家庭も出てきています。
■ 弁当作りを断念 → 昼食を抜く人が続出
昔なら「おにぎりだけでも持って行く」という人が多かった職場ですが、いまは違います。
「米が高いし、おかずも高い。ガス代もかかる。結局、朝に何も作らず、昼は抜いてる」
― 20代・一人暮らし・非正規雇用
結果として、職場で昼食を“食べない人”が目立つようになっています。
■ コンビニや外食も「もう高すぎて無理」
- コンビニ弁当:2020年比で+100〜200円
- 牛丼チェーン:並盛500円台が標準に
- パン1個170円超、飲料150円超が日常化
「おにぎり2個とお茶で600円。1週間で3,000円。昼食を抜いた方が家計的には助かる」
― 30代男性・独身・賃貸暮らし
もう“米を炊く”にも“外で買う”にもコストがかかる――
昼食が最も削りやすい「対象」になってしまったのです。
■ 昼食抜きは一時しのぎではない、「習慣化」し始めている
最近では、「昼ごはんを食べないのが普通」と考える人が増えてきています。
- 朝を多めに食べて昼を抜く
- 昼は水かコーヒーだけ
- “集中力が落ちるから食べない”と説明する若手
しかし、これは節約や効率化ではなく、明らかな“貧困化”の表れです。
■ 健康・生産性・未来への悪影響
▶ 栄養失調まではいかなくても…
- タンパク質・炭水化物・ビタミンが不足
- 慢性疲労、集中力低下、免疫力低下
▶ 長期的には“医療費爆増”のリスク
「食べなければ太らない」は幻想。代謝が落ちて病気になりやすくなる
▶ 日本全体の生産性にも悪影響
- 働き盛りの若者が“空腹で午後の仕事に集中できない”
- 学生も昼を抜いて授業中にフラフラ
■ なぜこうなった?背景にある“見えない貧困”
日本では「衣食住が足りて当たり前」という前提があります。
しかし現実には、十分な食事すらとれない人が急増しています。
▼ 背景
- 賃金の停滞:10年以上、実質賃金は横ばい〜下落
- 非正規・低所得層の増加:手取り15〜18万円でも一人暮らしはギリギリ
- 生活コストの上昇:電気・ガス・水道・家賃、すべて値上がり
これらの「見えにくい負担」が積み重なり、“昼食カット”という行動になって表れているのです。
■ 解決の糸口はあるのか?
● 政府・自治体による緊急食費支援
- 生活保護世帯以外にも「昼食支援」制度を
- “社会人食堂”の設置や、企業と連携した食券制度
● 企業による福利厚生の強化
- 昼食補助(チケットレストランなど)
- 社員食堂の設置・無料化
- “食べることが健康”という文化の再構築
● 教育と啓発
- 「昼食を抜くのが普通」ではなく「食べることが当然」という認識の再確認
■ 終わりに:
「米が買えない」「昼食を抜く」が日常になる国に、未来はあるか?
日本はかつて「米を中心とした文化」を誇っていました。
それがいま、「米が高すぎて買えない」「昼は何も食べない」が当たり前の国になろうとしています。
このままでは、食べることすら困難な社会=未来のない社会になってしまいます。
「せめて一日一食、白いごはんをしっかり食べられる社会に戻したい。」
今、そんな“ささやかな願い”が、どれだけ多くの人にとって切実なものになっているか――
私たちは、もっと真剣に向き合わなければなりません。
あなたの今日の昼ごはん、それは当たり前に食べられたものでしょうか?