〜元気なのは外国人だけ?という疑問を掘り下げる〜
物価高、終わらない長時間労働、年金不安、そして災害や戦争といった不安定な世界情勢——。こうした背景の中で、最近SNSや街中の声を聞いていると、ある疑問が浮かびます。
「日本人って、今、本当に幸せなの?」
そして、「むしろ元気なのは外国人だけなのでは?」
この問いに向き合うべく、今回は統計や生活実感、具体的な事例をもとに、「今の日本人の幸福度」について多角的に考えてみます。
■ 日本人の幸福度は本当に低い?
◯ 世界幸福度ランキングでは年々後退
国連が毎年発表している「世界幸福度報告(World Happiness Report)」によると、2024年の日本の順位は47位。これは先進国としてはかなり低い位置です。
比較してみましょう:
国名 | 2024年幸福度ランキング順位 |
---|---|
フィンランド | 1位(7年連続) |
スウェーデン | 6位 |
ドイツ | 24位 |
韓国 | 57位 |
日本 | 47位 |
◯ 主な要因は?
- 長時間労働と低い自己決定感
- 社会的なつながりの希薄さ
- メンタルヘルスへの公的支援の少なさ
- 経済不安(物価上昇と賃金停滞)
■ 一方、外国人観光客や在日外国人は“元気”に見える?
最近、街を歩いていると、元気そうな外国人観光客や在住者の姿が目立ちます。なぜ彼らは、あれだけ笑顔で、楽しそうに過ごしているのでしょうか?
◯ 例:外国人観光客の声(実際のインタビューより)
🇫🇷 フランス人観光客:「日本は安全で、人も親切。夜に街を歩けることがすごい。」
🇹🇭 タイ人観光客:「食べ物が美味しくて、店員さんの対応も素晴らしい。こっちにいると幸せを感じる。」
◯ 例:在日外国人の声(SNS・報道より)
🇧🇷 ブラジル人技能実習生:「日本での仕事は厳しいけど、安全で医療も整っているから、母国より将来を考えやすい。」
🇻🇳 ベトナム人留学生:「物価は高いけど、働けば学費も払えるし、夢に近づいている感じがする。」
◯ なぜ彼らは“元気”に見えるのか?
- 「選んで来ている」ことによるモチベーション
- 相対的に母国より環境が良いと感じている
- 未来志向で行動している人が多い
- 逆に、日本人は“閉塞感”や“諦め”が染みついている人が多い
■ 日本人が不幸に感じやすい3つの理由
① 頑張っても報われにくい構造
- 正社員で働き続けても昇給はわずか
- 年金・社会保障制度への不安
- 住宅ローン・教育費が重く、自由に使えるお金が少ない
✅ 例:40代会社員Aさん
「20年働いても給料はあまり上がらず、物価は上がってる。将来がまったく見えない。」
② 比較・自己責任・空気読み文化の圧力
- 「人と違う=悪」という無言の同調圧力
- SNSによる“見えない競争”
- 失敗や休職に対する偏見
✅ 例:20代女性Bさん
「うつ病で会社を休んでたら、“迷惑”って陰口を言われて復帰が怖くなった。」
③ 「幸せの定義」が見えづらい
- 昔は“マイホーム+安定した企業”が幸せの象徴だったが、今は違う
- でも代わりの“幸せモデル”が社会に提示されていない
■ 解決のヒントは「小さな主観的幸福感」にある
◯ 外的条件だけでなく、日常にある小さな満足に目を向ける
- 「今月は残業が減った」
- 「家族とご飯を食べる時間が取れた」
- 「ペットとの時間が癒しになっている」
◯ 具体的な提案
- SNS断ちや、他人と比べない訓練をする
- 日記に「今日よかったこと」を3つ書く習慣
- 本当にやりたいことを週1回でもやってみる
■ 結論:日本人が“幸せ”になるには
現代の日本人は、「幸せになれない国」にいるわけではありません。
ただ、**構造的に“幸せを感じにくい国”**になっているのは確かです。
元気そうな外国人を見て落ち込む必要はありません。
彼らは「選んで来た」という特別なモチベーションがある一方で、
日本人は「すでにここにいる」ことの意味や価値を忘れがちなのです。
幸せは、外から与えられるものではなく、
日常の中で「気づいていく」もの。
日本社会に閉塞感があったとしても、
私たち一人ひとりが「幸せに気づける感性」を持てば、
少しずつ風向きは変わっていくはずです。