■ クマ被害で犠牲者が出た福島町
北海道福島町で住民がクマに襲われ死亡するという衝撃的な事故が発生しました。
町はすぐに猟友会と連携して駆除を実施。住民の安全を守るため、当然かつ緊急の措置でした。
ところが、その後に自治体へ押し寄せたのは感謝や激励ではなく、200件を超える抗議や中傷。
電話やメールには、
- 「クマ殺し!」
- 「無能集団が」
- 「人間のエゴだ」
といった罵声が並びました。
職員が受けた電話の中には、2時間以上も抗議を続けるケースもあり、現場からは「非常につらい」「本来の業務に戻れない」という声が上がっています。
■ クレームの本質は“無理解”
抗議の多くは町外、さらには本州からのもので、実際に被害を受けていない人々がほとんどです。
「人命を守るための駆除」という現地の切実さを理解せず、遠隔地から“正義感”を振りかざしているにすぎません。
これは典型的なアホなクレーマー的行為であり、住民の安全を優先して行動した行政を追い詰める理不尽な構図です。
■ 職員のしんどさと「相手にしない」の難しさ
「アホなクレーマーには一々相手しないのが一番」――多くの人がそう思うでしょう。
しかし役場職員は公務員として、電話に出ないわけにもいかず、罵声や中傷に何時間も対応せざるを得ません。
結果、住民のために割くべき時間が奪われ、本来守るべき安全対策が遅れる二次被害が生じています。
これは明らかに「言論の自由」ではなく、業務妨害です。
■ 佐竹知事の毅然とした対応
記事内で紹介された秋田県の佐竹敬久知事の対応は、自治体関係者の間でもよく引き合いに出されます。
かつてクマ駆除に対する抗議が殺到した際、佐竹知事は
「抗議するなら私に直接言ってこい。現場の職員を困らせるな」
と公然と発言しました。
トップがこうした強い姿勢を見せることで、職員の負担を軽減し、迷惑クレームを跳ね返す効果があります。
実際、知事の発言後は抗議が減少したという事例もあり、毅然としたリーダーシップの重要性が浮き彫りになりました。
■ 今後求められる対策
福島町のケースは氷山の一角です。今後の自治体には次のような対応が求められます。
- 長時間の迷惑電話は記録・録音し、威力業務妨害で告訴対象に
- 外部の抗議と町民の声を切り分ける窓口設置
- 首長や幹部が前面に出て、職員を守る発信を行う
- 発信者情報開示請求を積極的に活用し、匿名嫌がらせを減らす
■ 結論
「クマ殺し」「無能集団」と罵倒する抗議者たちは、住民の命や生活に対して無理解かつ無責任です。
行政は職員を守るためにも、毅然とした態度で愉快犯的なクレームを遮断する必要があります。
佐竹知事のように「職員を守るのはトップの責任」という意識を持ち、法的措置も辞さない姿勢こそ、これからの自治体に求められる対応でしょう。