「仕事から帰宅、保育園、学童のお迎え…もうしんどい」。これは、多くの共働き家庭の親が共通して抱える叫びです。
子育てと仕事の両立は、決して簡単なことではありません。特に、子どもが小学校に入学した途端に直面する**「小1の壁」**は、多くの家庭にとって大きな試練となっています。
1. 「小1の壁」が親を追い詰める3つの理由
「小1の壁」とは、保育園から小学校へ進学することで、親が子育てと仕事の両立が困難になる問題のことです。保育園とは違い、小学校には多くの課題があります。
理由1:学童保育の受け入れ時間と迎えの時間
保育園は朝早くから夜遅くまで、柔軟に子どもを預かってくれます。しかし、学童保育は、小学校が終わる時間からしか預かってもらえません。
具体例:
- 保育園では朝7時半から預けられたが、小学校の学童保育は午後1時からしか開かない。
- 会社の始業時間までに子どもを預けることができず、親が時差出勤を余儀なくされる。
理由2:長期休暇の過ごし方
夏休み、冬休み、春休みといった長期休暇も、親を悩ませる大きな課題です。
具体例:
- 保育園は年末年始を除いて開いていることが多いが、学童保育は休みの期間が長く、子どもを預けることができない。
- 会社の有給休暇をすべて子どもの休みに充てても足りず、子どもの預け先に頭を抱える。
理由3:学校行事や地域との関わり
小学校に入ると、授業参観や保護者会、PTA活動など、親が学校に出向く機会が増えます。
具体例:
- 平日に行われる授業参観のために、会社を休まなければならない。
- 平日の昼間に開かれる保護者会に参加するため、仕事の調整が求められる。
これらの課題は、親の仕事に大きな影響を与え、職場でのキャリアを諦めざるを得ないケースも少なくありません。
2. 子育ては「保育園への事実上の外注」に
現代の子育ては、家庭だけで完結するものではありません。
「朝は保育園に送り、夜は学童に迎えに行く」という生活は、まるで子育てを**保育園や学童に「外注」**しているかのようです。
具体的な例:
- 朝、保育園に子どもを預けに行くと、すでに多くの親子が登園している。親は急いで会社に向かい、帰宅後もすぐに寝かしつけ。
- 「今日は〇〇ちゃん、保育園でこんなことができたんですよ!」と保育士さんに言われて、「そうなんですね、すごいね!」と子どもに話す。
- 子どもと話す時間は、帰宅後のわずかな時間に限られてしまい、親子の触れ合いが希薄になる。
3. 親が本当に求める働き方とは?
このような状況を改善するためには、企業や社会全体が、親の働き方を見直す必要があります。
親が本当に求めているのは、以下の3点です。
1. フレキシブルな働き方
- フレックスタイム制度やテレワークの導入: 子どもを送り迎えする時間を柔軟に調整できる。
2. 短時間勤務制度の充実
- 短時間勤務の選択肢を増やす: 子どもが小さい間は、勤務時間を短くし、徐々に通常勤務に戻すことができる。
3. 育児休業の取得推進
- 男性の育児休業取得を奨励: 夫婦で協力して子育てができる社会にする。
4. まとめ:子育ては、一人で抱え込まないで
「小1の壁」に直面する親の苦悩は、決して特別なものではありません。これは、社会全体で解決すべき課題なのです。
私たちは、子育てを一人で抱え込まず、企業や社会全体でサポートし、誰もが安心して子育てができる環境を整えていく必要があります。