■ はじめに:「公務員=安定」の神話はもう崩れた?
かつてはこう言われていました。
- 「区役所勤務なら一生安泰」
- 「倒産の心配がないから安心」
- 「福利厚生もしっかりしていてホワイト」
しかし近年、全国の自治体でこんな事態が起きています。
「優秀な若手職員が続々と辞めていく」
「中堅職員が転職や退職を選び、人材がスカスカ」
「役所に残っているのは疲弊したベテランばかり」
一体、区役所の中で何が起きているのでしょうか?
実際の現場の声や背景をもとに、その“裏事情”を解説します。
■ ①「安定=過酷」の現実|実例:某首都圏区役所のケース
30代女性職員・Yさん(区民課勤務)はこう語ります。
「1日300人以上の来庁者に対応し、トイレにも行けない日がある」
「昼休みは“来客対応の合間”に数分だけおにぎりをかじる」
「毎月のように“マイナンバー特別対応”“定額給付金”“防災訓練”が追加される」
いわゆる「安定の事務仕事」と思われがちな区役所ですが、
現場は慢性的な人手不足と業務過多でパンク状態です。
■ ② 仕事は増えるが、人は増えない
● 国の施策により突発業務が頻発(給付金、ワクチン、インボイス対応など)
● 住民対応にクレームも増加(高齢化+複雑な制度)
● 残業は“自己裁量”扱い=事実上のサービス残業
しかも、「住民サービス向上」の名のもとに、
- 受付時間の延長(平日夜間・土日開庁)
- オンライン申請対応
- 多言語対応
…など、本来業務以外の“雑務”が爆発的に増えています。
■ ③ 「優秀な人ほど辞めていく」理由
区役所では、次のような人が早期退職する傾向があります:
- 業務効率化や改善提案ができる人
- 周囲と協調しつつ問題解決できる人
- 民間企業への転職も可能なスキルを持つ人
なぜなら彼ら・彼女らは気づくのです。
「ここにいても、報われない」
「アイデアを出しても採用されない」
「結局、“上”の指示に従うだけで裁量はない」
例えば、30代前半で辞めた元IT担当のKさんは、
「DX推進のプロジェクトを任されたが、結局“紙でやれ”と言われ、民間に転職した」と語っています。
■ ④ 残る人にしわ寄せ。負のスパイラルが始まっている
優秀な人が辞める
↓
業務は残った職員に集中
↓
疲弊 → 不満 → 新たな退職者
↓
新人が入るが、育てる余裕がない
↓
新人も辞める or メンタル不調で休職
↓
さらに業務が回らなくなる…
このように、区役所でも“ブラック企業化”が進行している自治体は珍しくありません。
■ ⑤ 昇進しても地獄?管理職のメンタル崩壊
区役所の中間・管理職(課長・係長など)は次のような板挟みに。
- 上からは「予算削減と業績向上」
- 下からは「人手不足で無理」
- 外からは「住民の怒りと無理難題」
→ しかも昇進しても年収はわずか数万円しか上がらず、責任は倍以上。
ある40代の男性係長は、毎月70時間以上の残業の末、適応障害で長期休職→退職しました。
■ ⑥ 「公務員なのに辞めるなんて」と言われる地獄
周囲からはよくこう言われます。
- 「せっかく安定してるのに、もったいない」
- 「我慢すればいいだけじゃないの?」
- 「民間に行ったらもっと大変だよ?」
でも、本人たちはこう思っています。
「もう、“安定”よりも心が大事なんだ」
「安定のために潰れるなら、それは奴隷だ」
「評価されず、改善もできず、ただ残る人生を望まない」
■ まとめ:公務員の崩壊は、“社会の崩壊”の前兆かもしれない
区役所=安泰
公務員=楽な仕事
そんな時代は、もう過去のものです。
現場の実態は、**「責任だけ重く、裁量も希望もない地獄」**になりつつあります。
そして、この流出が止まらなければ、住民サービスそのものが機能不全に陥る日も近いかもしれません。
■ 最後に:公務員を守るのは、外の「声」かもしれない
優秀な公務員が辞めていくのは、個人の選択ではなく、システムが壊れている証拠です。
それを変えるには、
- 住民の声
- メディアの注目
- 政策の転換
…など、“外からの後押し”が不可欠です。
もしあなたの身近に、悩みを抱える区役所職員がいたら。
まずは「辞めるのも正解だよ」と言ってあげてください。