1. 騒動のきっかけ:挑発的な動画「中道嫌いに届け」
選挙公示直前、中道改革連合の公式SNSが公開した動画が波紋を広げました。そのタイトルは**「中道嫌いに届け」**。
これまでの政治広告といえば「清き一票を」というお願いが定番でしたが、この動画はあえて**「どっちつかずで、つまらない」「顔が見えない」**といった中道政治への批判的な意見を逆手に取る構成になっていました。
- 動画の内容: 「白か黒か、右か左か。はっきり分かれる方が気持ちいいかもしれない。でも、現実はもっと複雑だ。怒りを叫ぶより、納得できる妥協点を見つける方がずっと難しい。その『つまらない正解』を出すのが私たちの仕事だ」というメッセージ。
- 狙い: 高市政権下の自民党が掲げる「強い保守」路線や、エッジの効いた新興勢力に惹かれる若年層に対し、「対話と熟議」という中道の価値を再定義しようとする狙いがありました。
2. 麻生太郎氏の痛烈批判: 「中道なんてのは、ただの優柔不断」
この動画に対し、誰よりも早く、そして激しく反応したのが自民党の麻生太郎氏でした。地元・福岡での街頭演説で、麻生節が炸裂しました。
「中道嫌いに届け? 届くわけねえだろ。中道なんてのはな、自分の意見がない奴が逃げる時に使う言葉なんだ。右だ左だと言われるのが怖くて、真ん中でコソコソしてる。そんな優柔不断な連中に、この国の舵取りができるわけがない。あれは政治じゃない、ただの『ごっこ』だ」
麻生氏の批判の核心は、**「政治には信念と決断が必要であり、中道という曖昧なポジションは無責任である」**という点にあります。この「中道=優柔不断」というレッテル貼りは、瞬く間にSNSで拡散されました。
3. なぜ今、この対立が起きたのか?
背景には、2026年現在の非常に特殊な政治状況があります。
- 自公連立の解消と新党結成: 長年続いた自公連立が解消され、公明党が立憲民主党の一部と合流したことで、自民党にとって「かつての身内」が最大の敵となりました。
- 高市政権への牽制: 保守色を強める高市早苗首相の政権運営に対し、中道改革連合は「極端な右傾化を止めるストッパー」を自任しています。
- 無党派層の争奪戦: どちらの陣営も、政治に冷めた「無党派層」を取り込まなければ勝てません。中道側は「熟議」で、麻生(自民)側は「力強い決断力」で、それぞれアピールしているのです。
4. 有権者の反応: 「英断」か「迷走」か
ネット上の反応は二分されています。
| 肯定的な意見 | 否定的な意見 |
| 「極端な主張が飛び交う今こそ、中道の重要性が心に響いた」 | 「動画の作りがオシャレすぎて、何をしたいのか伝わらない」 |
| 「麻生氏の批判こそ、対立を煽る古い政治の象徴に見える」 | 「立憲と公明が組んだ時点で、中道ではなくただの数合わせ」 |
| 「自分たちの弱点(中道の地味さ)を認める姿勢に好感」 | 「麻生さんの言う通り。非常時に中道では頼りない」 |
結論:この動画が「最後の一押し」になるか?
中道改革連合の「中道嫌いに届け」というメッセージは、確かに多くの人の耳に届きました。しかし、それが「支持」に変わるのか、あるいは麻生氏の批判通り「頼りなさ」を強調してしまったのか。
答えは、数日後に迫った投票箱の中で明らかになります。