大分県での騒動に続き、栃木県内の県立高校でも生徒同士の暴行動画がSNS上で広く拡散されました。これを受け、県教育委員会は事態を重く見て、いじめ防止対策推進法に基づく**「いじめ重大事態」**に認定。警察との連携を強める方針を示しました。
1. 拡散された動画の具体例:逃げ場のない教室内での暴行
拡散された動画(約30秒)には、休み時間中と思われる教室内での様子が映っていました。
- 具体的な暴行内容: 被害生徒が自席に座っているところを、加害生徒が背後からいきなり首を絞めるような形で引きずり出し、床に倒れた相手に対して腹部を数回踏みつけるような行為。
- 周囲の状況: 教室には他の生徒も複数いましたが、止める者はおらず、一部からは笑い声や「やばい」といった煽るような声が上がっていました。
- SNSでの波及: この動画がInstagramの「ストーリーズ」に投稿され、そこからX(旧Twitter)などで転載が繰り返され、学校名や実名が特定される事態となりました。
2. 県教育長が会見で語った「3つの問題点」
阿久澤教育長は会見で、単なる「生徒間のトラブル」では済まされない3つのポイントを指摘しました。
① 「撮影・拡散」という卑劣な加害
「暴力を振るうだけでなく、それを撮影して公衆の面前に晒す行為は、被害生徒の尊厳を二重、三重に傷つける極めて卑劣な行為である」と断じました。
② 学校側の初期対応の遅れ
当初、学校側は「小規模な喧嘩」として処理しようとしていましたが、動画の拡散によって事態の深刻さが露呈しました。阿久澤教育長は「学校現場の認識の甘さがあった」と認め、調査体制を刷新することを明言しました。
③ 警察との情報共有
県教委は、動画に記録された行為が「傷害」や「暴行」に該当する可能性があるとして、管轄の警察署に相談。学校内の問題として閉じ込めるのではなく、法的手段を含めた厳格な対応を取る姿勢を強調しました。
3. 具体例:被害生徒を守るための「デジタル・デトックス」
県教委は、被害生徒の心のケアを最優先事項としています。具体的には以下の措置が取られています。
- SNS削除支援: 専門の業者や法務局と連携し、ネット上に残っている動画の削除要請を加速させています。
- 登校支援と環境分離: 加害生徒に対しては「出席停止」の措置を検討し、被害生徒が安心して登校できる環境を物理的に確保します。
- スクールカウンセラーの配置: 被害生徒だけでなく、動画を目撃してショックを受けた周囲の生徒に対してもケアを行います。
4. まとめ:栃木県が直面する「SNS教育」の転換点
今回の件は、栃木県内の教育現場に大きな衝撃を与えました。県教委は今後、県内すべての公立高校に対し、**「SNSへの不適切な投稿が個人の人生にどれほど致命的な影響を与えるか」**を再確認する緊急の指導を指示しています。
阿久澤教育長の謝罪は、教育行政としての責任を認める一歩ですが、本当の解決は被害生徒の心の回復と、二度とこのような動画が「娯楽」として消費されない文化を作ることにかかっています。