2025年の日本列島は、かつてないほどの“水の危機”に直面しています。梅雨明け後もまとまった雨が降らず、全国のダムでは貯水量が例年の半分以下という地域も。水不足がもたらす深刻な影響が、じわじわと生活と経済に押し寄せてきています。


全国で広がる“水不足”の現状

今年の梅雨は短く、雨量も平年を大きく下回りました。特に四国・九州・東海地方ではダムの貯水率が20〜40%台という地点が続出。関東地方でも主要ダムの水位が急激に低下しています。

農水省によると、2025年7月時点で全国37カ所の主なダムのうち、30カ所以上で「節水制限」が実施されており、農業・工業用水への供給制限も始まっています。


新米がピンチ!コメ農家の苦悩

水田にとって不可欠なのが「安定した水の供給」です。しかし、今年は田植え直後から水不足に直面し、多くの農家が「十分に育たない」「苗が枯れた」と悲鳴を上げています。

特に影響が大きいのは、東北地方と新潟県。これらは日本有数のコメどころですが、ダムからの送水が制限されたことで、代替水源も確保できず、8月〜9月の収穫見通しが厳しい状況です。

ある新潟の農家は「このままだと半作どころか全滅の可能性すらある」と話しており、2025年産の“新米”は供給量の大幅な減少と価格高騰が懸念されています。


生活にも影響…プール・温泉・工場にも波及

水不足の影響は農業だけにとどまりません。各地の公共プールでは水の補充が難しく、夏休み中にもかかわらず「営業中止」を決定した施設が相次いでいます。特に九州では、自治体が「水の使用量削減」を住民に呼びかけ、家庭でのシャワー時間短縮や洗車の自粛が促されています。

温泉地でも水源の確保が難しくなっており、湯量の減少や休業の動きも出始めています。また、工場にとっても冷却水や洗浄水の確保が困難になり、稼働率の低下や一部操業停止を検討する企業も出てきました。


異常気象と気候変動の影響?

気象庁は、今年の異常な渇水状況について「偏西風の蛇行と高気圧の張り出しによる降雨パターンの偏り」が原因だと分析。また、近年続く気候変動により「降るときは極端に降る一方で、降らない時期は極端に乾く」という極端気象の傾向が強まっていることにも警鐘を鳴らしています。


私たちにできる対策は?

個人レベルでできる水不足対策も重要です。

  • 節水シャワー・トイレの活用
  • 風呂の残り湯を洗濯や掃除に再利用
  • 洗車・庭の水まきの自粛
  • 食品廃棄を減らし、間接的な水資源消費を抑制

また、自治体の情報をこまめに確認し、取水制限や断水の情報にも注意が必要です。


まとめ:水のありがたさを見直すとき

「水」は空気と同じくらい当たり前に存在するものだと思われがちですが、その供給には自然条件と多くの人々の努力が関わっています。水不足は、農業・産業・生活全てに影響を及ぼす“インフラ災害”です。

2025年のこの夏、水の大切さと向き合い、次の世代にも持続可能な水資源を残すために、私たち一人ひとりの行動が問われています。

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