2025年参議院選挙を目前に、政治の現場で静かな波紋が広がっています。保守層に強い支持を持つ自民党と、急速に存在感を強める参政党が、各地の地方議会で「会派結成」の動きを強めているのです。

一見すると「保守系政党の連携」と捉えられがちですが、これは単なる選挙対策にとどまらない、日本の地方政治の今後を大きく左右する動きでもあります。

1. 参政党と自民党がなぜ手を組むのか?

参政党は、「教育」「情報公開」「健康」「国守り」など、特定の政策分野で熱狂的な支持層を持つ新興政党です。2022年参院選で比例票を伸ばして以来、地方議会にもじわじわと浸透してきました。

一方、自民党は長年の与党としての立場から、地方議会でも多数派を維持してきましたが、支持層の高齢化若年層の無関心に悩まされています。

この両者が「会派」を組む狙いは明確です。

  • 議会内での発言力の強化
    小規模な地方議会では、1人や2人の議員では動きづらいのが現実です。会派を結成することで議会運営の中で委員会への出席や議案提出の影響力を高められます。
  • 保守票の集約と選挙対策
    共倒れを避け、候補者調整などを通じて票を逃さない戦略が見え隠れしています。地方選挙での連携実績が、将来的には国政選挙への布石になる可能性も。

2. どこで結成が進んでいるのか?

実際に2025年7月現在、以下のような動きが見られています:

  • 九州地方や東北の一部自治体で会派結成
    保守層の多い地方では、すでに「自民・参政連合会派」などの名称で実際に議会内会派を作る動きが出ています。
  • 都道府県議会や市議会でも模索中
    都市部では選挙区の争いが激しいため、まだ表立った連携は少ないものの、非公式な政策協議や会合は行われているとされます。

3. 会派結成によるメリットとリスク

メリット:

  • 自民党にとっては、右派票の囲い込み保守勢力の一本化が期待できる
  • 参政党にとっては、議会内での影響力確保地盤拡大が現実味を帯びてくる

リスク:

  • 両者の政策や支持層の温度差が顕在化する可能性がある
    たとえば参政党は「ワクチン政策」や「食の安全」など独自性の強い主張が多く、自民党主流とは一線を画す部分もある。
  • 中道・無党派層の離反
    特に都市部では、極端な保守イメージに嫌悪感を持つ層も少なくなく、連携が逆効果になる恐れも。

4. 今後の展望は?

この「会派結成」が一時的な選挙協力なのか、それとも将来的な政策連携・合流への第一歩なのかは、今後の動き次第です。

重要なのは、有権者にとってこの連携が本当に暮らしをよくする政治的選択肢となるかどうかです。

選挙が近づく中、こうした連携が「票目当ての便宜的結びつき」に終わらず、政策の中身や実効性にどう結びついていくのか、冷静に見極める目が求められます。


まとめ

  • 自民党と参政党が地方議会で会派結成を進めている
  • 保守票の取り込みと議会内の発言力確保が主な狙い
  • 一方で政策のすり合わせや中道層の反発という課題も
  • 今後の連携の行方が、国政にも波及する可能性がある

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