近年、スーパーに行っても、コンビニに寄っても、財布から出るお金がどんどん増えていませんか?
にもかかわらず、「給料が上がった実感がない」「節約しても赤字」そんな声が全国から聞こえてきます。
今回は、「物価高騰×実質賃金の低下」によって、私たちの生活満足度がどう変化しているのか?――リアルな事例とともに深掘りします。
■ 物価は“見える形”で上がっている
まずは、具体的な物価の変化から見てみましょう。
🍞 生活必需品の値上げ例(2024年→2025年)
品目 | 価格(2024年) | 価格(2025年) | 増加率 |
---|---|---|---|
食パン(6枚切) | 158円 → | 198円 | +25% |
牛乳(1L) | 198円 → | 238円 | +20% |
ガソリン(1L) | 162円 → | 183円 | +13% |
冷凍食品 | 298円 → | 368円 | +23% |
水道光熱費(平均) | 月12,000円 → | 月14,000円 | +16% |
さらに、2025年春には公共交通機関の運賃値上げや保険料の改定も続き、「毎月の固定費」がじわじわ上がっています。
■ 給料は増えた?…でも“手取り”は減ってる?
一方で、2025年の春闘では多くの企業が「ベースアップ実施」「賃上げ率4%以上」と発表しました。
しかし…
「手取りは去年より下がってるんですけど?」
「扶養控除が変わったせいで、手取り減りました」
「住民税や保険料が上がって、意味がない」
✅ 実質賃金とは?
実質賃金とは、「賃金の上昇-物価の上昇」=生活にどれだけ余裕ができるかを示す指標です。
例えば:
- 名目賃金:月30万円 → 月31万円(+3%)
- 物価上昇:+4.5%
- 実質賃金:マイナス1.5%
つまり、給料が上がっても「使えるお金」はむしろ減っているのが現実なのです。
■ 【具体例】「賃上げしても生活は苦しい」現場の声
🧑🏭 工場勤務・40代男性(東京都大田区)
「今年から基本給が月5,000円上がったけど、会社の寮の食費と光熱費が同時に上がって、結局毎月の残金はほぼ変わらない」
👩🍼 パート勤務・30代女性(千葉県船橋市)
「ガソリン代が高くて、子どもの送り迎えが地味に痛い。昼食代を削っておにぎり生活中」
👨💼 事務職・20代男性(大阪府豊中市)
「実家暮らしだけど、奨学金返済と物価高で貯金がゼロ。彼女とのデートも月1回が限界です…」
■ 生活満足度の“目減り”は、数字に表れない
生活満足度は、単純な「収入-支出」だけでは測れません。
たとえば…
状況 | 満足度への影響 |
---|---|
外食が減った | △ ストレスが増える |
冷房を遠慮している | △ 健康面に不安 |
旅行や帰省を我慢 | △ 家族との時間が減る |
習い事や趣味をやめた | △ 人間関係が縮小 |
医療や健康に関する出費を先送り | × リスク増加 |
「心のゆとり」がなくなると、自己肯定感や人間関係にも悪影響を与え、生活の質(QOL)が全体的に低下します。
■ 国際比較でも“日本の生活満足度”は下がり気味
OECD(経済協力開発機構)が行っている「生活の質調査」では、日本は先進国の中でも「生活満足度」が低め。
- 日本の平均スコア(10点満点):5.8点
- OECD平均:6.7点
- 上位国(北欧など):7.4点前後
特に「収入」「仕事と生活のバランス」「将来の見通し」の項目で大きく後れを取っています。
■ 結局、私たちは何を求めている?
物価高の時代、私たちは次のような“安心”を求めています:
- 将来が不安にならない給料の上がり方
- 医療や教育にかかる費用の抑制
- 公共サービスの維持と改善
- 節約しても報われる感覚
そして何より、「働いても報われない」感覚が、生活満足度をじわじわと削っていくのです。
■ まとめ:数字より、“実感”が何よりリアル
✔️ 給料は上がってるのに、使えるお金が減っている?
✔️ 外食や趣味を削ったのに、貯金ができない?
✔️ 生活に「心の余裕」がなくなってきた?
そんな人が増えています。
生活満足度とは、数字ではなく“暮らしの実感”で測るもの。
今こそ、政府・自治体・企業が「実感としての豊かさ」を回復できるかが問われています。