1. 共産党も擁立断念。主要政党がこぞって「不戦敗」を選ぶ理由

2026年1月16日、日本共産党大阪府委員会は、今回の府知事・市長ダブル選への独自候補擁立を見送る方針を明らかにしました。

通常、維新との対決姿勢を鮮明にする自民党、立憲民主党、公明党も同様に擁立を見送る見通しです。事実上の「無風選挙」とも言えるこの状況には、共通の強い反発があります。

なぜ戦わないのか? 各党の本音

各党が共通して口にしているのは、今回のダブル選の**「正当性の欠如」**です。

  • 「独り相撲にお付き合いしない」: 自民党大阪府連の松川るい会長は、「突然辞職して『都構想の民意を問う』と言っても準備期間がなく、正当性がない」と断じ、選挙戦そのものをボイコットする姿勢を見せています。
  • 「公正ではない」: 国民民主党府連も、「準備期間が短すぎ、公正と認めることはできない」との声明を発表しました。
  • 衆院選への集中: 各党とも同時期に行われる衆院選が最優先であり、急に設定された知事・市長選にリソースを割く余裕がないという現実的な事情もあります。

2. 維新の狙いと「3度目の都構想」への懸念

吉村知事らが辞職してまで再選挙を行う最大の目的は、「大阪都構想」への再挑戦に対する民意の確認です。

過去2回の住民投票で否決された都構想ですが、維新側は「今の政治状況なら理解が得られる」との判断から、衆院選の勢いに乗せて一気に突破したい考えです。しかし、この手法には維新内部からも「なぜ今なのか」と戸惑いの声が上がっていると報じられています。

野党側の主張:

「否決されたはずの都構想を、自分たちの都合の良いタイミングで蒸し返しているだけだ」というのが、自民・立憲・共産らに共通する批判の核心です。


3. 「対抗馬不在」がもたらす異様な選挙戦

主要政党が候補者を出さないことで、今回のダブル選は極めて特殊な構図になります。

  • 維新の独走: 知名度の高い現職(吉村氏・横山氏)に対し、主要政党の推薦を受ける有力な対抗馬がいないため、再選の可能性が極めて高い状況です。
  • 低投票率への懸念: 「勝負が決まっている」と有権者が感じれば、知事・市長選の投票率は下がる可能性があります。ただし、衆院選と同日であれば、衆院選のついでに投票される形になるでしょう。
  • 政治不信の加速: 多額の税金を投入して行われる再選挙に対し、「主要政党が誰も出ないなら何のための選挙か」という有権者の冷めた視線が注がれるリスクがあります。

4. まとめ:2026年大阪ダブル選の意味

今回の「主要政党の擁立見送り」は、維新に対する「全面降伏」ではなく、むしろ**「維新が仕掛けた土俵には乗らない」という強い拒絶反応**の表れと言えます。

しかし、結果として吉村・横山両氏が再選されれば、維新は「都構想への再挑戦が信任された」と主張し、一気に議論を加速させるでしょう。有権者は、候補者がいない中でも「この手法を認めるのか」という重い判断を迫られることになります。

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