■ はじめに
「安定の象徴」とされた公務員までもが、いま職場を去っています。
かつては「勝ち組」の代名詞だったはずの公務員が、なぜ退職を選び、“働かない”生き方を目指すのか?
この記事では、公務員離職の実態から、働くことに絶望した人々の声、そしてその後に待っているリアルな“末路”を、具体例とともに解説します。
■ 公務員離職の増加という異常事態
総務省の調査によると、2023年度に自己都合で退職した地方公務員の数は約1万2千人超。
その中には、新卒わずか1〜3年で退職する“早期離職”が多数含まれています。
▼ 具体例:東京都内の区役所(20代・新卒2年目)
「土日も住民対応で潰れるし、SNSでは文句ばかり。『誰のために働いてるんだろう』と思って辞めました。」
▼ 具体例:地方自治体(30代・中堅職員)
「やる気があっても改善提案は通らず、上司は定型業務しか認めない。“思考停止装置”になってる自分が怖くなった。」
■ なぜ“働くこと”をやめたのか?
理由①:低賃金なのに責任は重い
- 地方公務員の年収は30代でも手取り月20万円台が普通
- 一方で住民クレームや災害対応、行政責任などプレッシャーは大きい
理由②:やりがいが感じられない
- ルールだらけの組織文化、非効率な会議、Excel地獄
- 「改善したい」と思っても上からの圧力で何も変えられない
理由③:心身を壊すほどの過重労働
- 児童相談所、福祉、教育現場では月100時間を超える残業も
- 精神疾患で休職・退職する職員が年々増加している
■ 公務員を辞めた人たちの“その後”
ケース1:実家暮らしで“プチ隠居生活”
30歳・元市役所勤務
「家に戻ってアルバイトしながら静かに暮らしてる。働く意味がもうわからなくなった。家族の理解があったから続いてる。」
ケース2:フリーランスに転身するも失敗
28歳・元国家公務員(文系)
「スキルがないまま辞めたので仕事がなく、貯金も尽きて結局Uber Eats。年金や保険の負担がきつい。」
ケース3:海外移住・ノマド生活に活路
33歳・元県職員
「タイに移住して現地のIT企業で働いてます。日本で心が壊れる前に逃げてよかった。」
■ 働かないことの“現実的なリスク”
- 社会保険や住民税の支払いが続くため、収入ゼロでも出費は止まらない
- 精神的自由はあっても、将来の不安が常につきまとう
- 家族や周囲との関係悪化、「自堕落」という目で見られることも
■ それでも“働かない”を選ぶ理由
- 「働く=幸せ」ではないと多くの人が気づき始めている
- 賃金と生活コストが見合わず、“働いても貧困”の時代
- 「体と心を壊すくらいなら、働かないほうがマシ」という選択肢が、もはや“非常識”ではなくなっている
■ おわりに:働くことをやめた人々の先にあるもの
働かないことに「逃げ」や「堕落」のレッテルを貼る社会が、彼らをさらに追い詰めてきました。
しかし、心を壊しながらも働き続けることが「正しい」と言えるのでしょうか?
公務員までもが逃げ出す日本社会は、今や“働ける人”だけに設計された過酷な舞台。
「辞めたら人生が終わる」ではなく、「辞めて初めて自分の人生が始まる」――そんな生き方が、今後さらに増えていくのかもしれません。