日本では「外国人には選挙権がない」と言われますが、それは“永住外国人”に限った話です。実際には、日本に帰化した元外国人、いわゆる「帰化人」には完全な選挙権が付与されており、国政・地方問わず投票も立候補も可能です。
近年、「帰化人の票(帰化票)が選挙結果に与える影響が無視できなくなってきている」との声がSNSや論壇で増えてきています。
この記事では、帰化人の投票数の割合や影響力、そして具体的な選挙事例をもとに、なぜ今“帰化票”が注目されているのかを詳しく解説します。
帰化人とは?選挙権との関係
「帰化」とは、外国籍の人が法務大臣の許可を得て日本国籍を取得する制度です。帰化をすれば、日本生まれの日本人と同じく、選挙権・被選挙権が自動的に付与されます。
つまり、どんな国の出身者であっても、一度帰化すれば、
- 衆議院・参議院の国政選挙
- 都道府県議会、市区町村議会、知事・市長選
- すべての選挙で投票・立候補が可能です。
帰化人の人数と有権者全体に占める割合
法務省の統計によると、日本への帰化者は年間約9,000~1万人前後。累計では約35万人以上の帰化人が存在すると推定されます(2025年時点)。もちろん帰化した後に亡くなったり再出国した人もいますが、実質的な帰化有権者数は25万人〜30万人規模と見られています。
帰化票の全国的な比率
- 総有権者数:約1億人
- 帰化票:約0.3%前後
一見すると非常に少なく感じますが、都市部や一部地域では局所的に高い割合を占めるケースがあります。
地域別・影響の大きい事例
1. 大阪市生野区・西成区(在日コリアンが多い地域)
- 生野区は韓国・朝鮮系の定住外国人が多く、帰化率も高い。
- 「生野区に住む帰化人の割合は、人口の約6〜8%」とされる調査も。
- 区議会選挙では数百票差で当落が決まることが多く、帰化票が事実上のキャスティングボートになるとの指摘あり。
2. 東京・新宿区
- 中国人を中心に急増している地域。中国籍からの帰化者も多い。
- 都議選で2万〜3万票程度が当落ラインになる中、帰化者コミュニティ内で票の取りまとめが行われている例も報道された。
3. 川口市(埼玉)
- 中国人住民が年々増加。帰化人の割合も上昇。
- 2023年の市議会議員選挙で、中国語対応の候補が初当選。
- 「中華系の団体が支援を取りまとめた」と言われており、帰化票の組織的な動きが注目された。
帰化票はどのように政治に影響しているのか?
1. 支援団体の票の集中投票
- 帰化者の多くが元々の出身国とつながりを保ち、民族団体・商工会などを通じて候補者を支援。
- 特定の候補を支える運動が組織的に行われるケースが多い。
- 結果として、地方選挙のような小規模な選挙で大きな影響を持つ。
2. 政策的な“配慮”につながる懸念
- 一部議員は、特定の帰化人団体の支持を得ることで当選を重ねており、政策や発言が“外国人寄り”になるケースも指摘されています。
- 例:外国籍のままの永住者にも地方選挙権を与える法案に積極的な政治家は、帰化者の支援を受けている場合がある。
帰化票の存在をどう考えるべきか?
帰化者は日本国籍を持つ立派な日本人です。選挙権を持つのは当然の権利です。しかし、「どこの国の利益を優先するのか?」という問題は、現代日本社会の中で避けては通れません。
とくに、出自を超えて“日本人のための政治”を行うかどうかが、有権者にとって重要な判断基準になってきているのです。
結論:帰化票は“静かに影響力を強めている”
全国的には少数派でも、選挙は地域ごとの戦いです。帰化票は、今後も特定地域の選挙で決定的な役割を果たし続けるでしょう。
だからこそ、有権者は「候補者のバックに誰がいるのか」「どんな団体の支援を受けているのか」を注視することが求められます。
“本当に日本人の生活を守る政治家かどうか”を見極める時代が、すでに始まっているのです。