2016年に匿名ブログの一文「保育園落ちた日本死ね」が世論を揺るがしてから、まもなく10年。あの衝撃的な言葉は国会でも取り上げられ、子育て支援や保育所整備の象徴的なフレーズとなりました。
そして2025年、厚生労働省の最新発表によると、全国の待機児童数は2254人。これは統計開始以来の過去最少で、8年連続の減少となります。
待機児童とは?
「待機児童」とは、認可保育所に入所を希望したにもかかわらず入れず、自宅や他施設で一時的に預けられている子どもを指します。かつては都市部を中心に数万人規模で存在し、働く親たちを悩ませてきました。
具体的な数字の推移
- 2016年:「保育園落ちた日本死ね」が話題に → 当時の待機児童数は約2万3千人。
- 2019年:政府が「子育て安心プラン」で保育の受け皿を急拡大、1万人台に減少。
- 2021年:待機児童数が5000人を下回り、「解消が見えた」と報じられる。
- 2025年:2254人にまで減少、最少を記録。
例えば、東京都世田谷区や神奈川県川崎市といった「待機児童の多い自治体」とされてきた地域でも、認可保育所や小規模保育事業が整備され、数年前と比べれば大幅に改善が進みました。
減少の背景
- 保育所の大規模整備
政府は2017年以降、毎年数万人規模で保育の受け皿を整備。認可保育所の増設、企業主導型保育所、幼児教育・保育の無償化など、複数の制度改革を打ち出しました。 - 保育士確保の取り組み
賃金改善や処遇改善加算によって保育士の人材確保も少しずつ進み、施設運営が安定。 - 少子化の影響
出生数の減少も一因。2024年の出生数は72万人台と過去最少であり、需要そのものが減ったことで待機児童数の圧縮につながっています。
まだ残る課題
- 地域差
東京都心部や地方の一部では依然として「入りたい園に入れない」という現実があります。単純に数が減ったからといって、希望通りに預けられるとは限りません。 - 質の問題
「量」は増えたものの、「安心して預けられる質」や「保育士の負担」は依然として大きな課題です。長時間労働や人手不足は完全には解消されていません。 - 学童保育への移行
保育園の次の段階である学童保育では待機児童問題が顕在化しており、共働き世帯の支援がまだ追いついていないのが現状です。
まとめ
「保育園落ちた日本死ね」という強烈な言葉から始まった議論は、この10年で待機児童の大幅減少という形で成果を残しました。
しかし、その背景には「出生数の減少」という苦い現実もあり、手放しで喜べる状況ではありません。
次の課題は「地域差の解消」と「保育の質の確保」、そして「小学校以降の子育て支援」に移っていくことになりそうです。
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