「〇〇を実現します!」「〇〇に取り組みます!」
選挙のたびに叫ばれる“耳ざわりの良いスローガン”。しかし、有権者が本当に望んでいるのは結果=政策の実現であり、言うだけの議員ではありません。
近年、国会や地方議会では、「問題提起するだけで何も行動しない」議員が増え、さらに他人が進めた政策に便乗して“自分の成果”を強調する政治家も後を絶ちません。
この記事では、そんな“口先だけ”の議員たちの実態と、有権者が騙されないための視点を、具体例を交えて解説します。
1. 「問題提起系議員」は実は責任を負わないポジション
最近はSNSや街頭演説などで、「●●の問題をどうにかしろ!」「この制度はおかしい!」と声を上げる議員が目立ちます。しかし、よく聞いてみると、
- 実際の法案提出ゼロ
- 委員会での質問なし
- 条例や修正案の提出歴もゼロ
つまり、言うだけで行動しないのです。
具体例:教育現場の過重労働問題
SNSで「教師の働き方改革が必要」と何度も発信している某議員。ところが議会で実際に質問した履歴はゼロ。他会派が条例提案を進めた途端、便乗して「自分も前から問題視していた」と選挙ポスターに掲載。
こうした「問題提起だけ」の姿勢は、一見「国民の味方」のように映りますが、実務が伴っていない限り意味はありません。
2. 実現が見えてきた政策に“後乗り”して自分の手柄にする議員たち
特に地方自治体では、「地元住民の運動や市民団体の成果」を、後から議員が奪うケースが目立ちます。
具体例:保育園の整備問題(某市)
地元住民が10年以上にわたり署名運動・陳情・議会傍聴を繰り返して実現の方向に進んでいた保育園整備。実際に動いたのは住民と一部の若手議員だったが、完成が近づくとベテラン議員が急に動き出し、「私の長年の実績です」とポスターやHPに掲載。有権者の多くが信じ込んでしまった。
このような“後乗り戦術”は、努力をしてこなかった議員が手柄だけを横取りするという非常に不誠実な行為です。
3. 「選挙のときだけ猛アピール」する議員の典型パターン
こうした議員は選挙時期にだけ以下のような行動を取ります:
- 急に街頭で「ご意見をお聞かせください」と叫び始める
- SNSで急に地元の清掃活動や祭りに毎日参加
- 他人の実績を“一緒にやりました”風に編集して広報
具体例:駅前再開発プロジェクト(関東某都市)
市民ワークショップを中心に進められていた再開発。選挙の直前になって、まったく関与していなかった議員がポスターで「駅前再生を実現!街に活力を取り戻しました!」と主張。現場を知る人たちは呆れたが、無関心層の有権者には通用してしまった。
4. なぜこうした議員が当選してしまうのか?
- 有権者が“過去の実績”をきちんと調べない
- 名前の浸透度やポスターの見た目だけで投票
- SNSの切り抜き情報だけで判断してしまう
つまり、政治に対する関心の薄さと情報不足が、こうした“便乗型議員”を生き延びさせているのです。
5. 騙されないためにできること
- 議員の過去の議事録を調べる(議会HPに掲載されています)
- 法案・条例・修正提案の提出実績を確認する
- 有権者向けのイベントに積極的に参加して質問する
- 実際に市民と一緒に動いた人たちの証言を確認する
結論:声の大きさではなく、行動を見よ
「〇〇に取り組みます!」「皆さんの声を国会に届けます!」
──この言葉に、もう騙されてはいけません。**取り組んだ“後”に何を残したのか?**それを見極める力が、有権者にいま求められています。
問題提起だけして「やってる感」を出す議員、
他人の努力を「私の成果です」と叫ぶ議員、
選挙前にだけ地元に帰ってくる議員──
彼らに票を与えることこそ、日本の政治を劣化させている最大の原因です。