最近、スマホを買おうと思ったら**「整備済み品」**がやたらと出てくる。
家具を探していたら、メルカリの中古が最安値。
家電も、クレジットカード分割が当たり前。
それもそのはず――今、日本人の多くが“新品を買えない”時代に突入しています。
この記事では、その背景と具体的な現実、そして「なぜこうなったのか?」を丁寧に解説します。
■ “新品は高すぎる”が常識になった
◆ 家電:冷蔵庫や洗濯機は10万円超が当たり前
▶ 例:30代一人暮らし男性(東京都)
「就職して新生活始める時、家電を一式そろえようとしたら20万円を超えた。
結局、洗濯機と冷蔵庫はハードオフで中古、電子レンジは整備済み品をネットで買った。」
▶ データ:
- パナソニックの一般的な洗濯機(2024年モデル)…新品価格 約82,000円
- 同モデルの「整備済み品」…約49,800円(Amazon整備済みストア)
◆ スマホ:最新モデルは庶民には手が出ない
- iPhone 15 Pro(256GB)…税込約174,800円
- 2022年発売の整備済みiPhone 13 Pro…約96,000円(Apple認定整備済製品)
▶ 例:高校生の保護者
「子どもがスマホを欲しがったけど、さすがに新品は買えない。
整備済みiPhoneと楽天モバイルで、月の通信費と端末代を合わせて1万円以下に抑えた。」
■ 中古市場が“生活のインフラ”になってきた
◆ メルカリはもう“新品の代替”ではなく“主戦場”
- 月間利用者数:約2,200万人(2025年時点)
- 1日に出品される商品数:約100万点以上
- 利用者の6割以上が「生活必需品を買っている」と回答(メルカリ調査)
▶ 出品される定番ジャンル:
- 子ども服(すぐサイズアウトするため)
- 文房具・教科書・資格教材
- 家電製品(引っ越しや買い替えによるもの)
- 食器や家具も多数(「ほぼ新品」がウリ)
▶ 例:20代カップルのリアル
「家具も家電も、ほぼメルカリとジモティーで揃えた。配送も安いし、“新品にこだわる理由がない”。」
■ なぜ日本人は新品を買えなくなったのか?
【1】実質賃金の低下
厚生労働省によると、日本の実質賃金はこの10年間で下がり続けている。
一方、モノの価格(とくに耐久消費財)は上昇。
つまり、給料の伸びより物価の上昇が早い。
【2】中古市場の信用が上がった
- 整備済み・保証付き・返品OKなど、品質保証がある中古・リユース品が増加
- 中古=汚い、壊れやすいという印象が薄れてきた
- 特に若年層は「サステナブル」「コスパ重視」で中古に好意的
【3】サブスク・レンタル志向も加速
- 家具のサブスク(CLAS・subsclifeなど)や家電レンタルも人気
- 「所有」ではなく「一時的に使う」ことが新しい消費スタイルに
■ これからどうなる?“新品離れ”の未来
今後も「新品は特別なもの」「中古がデフォルト」という流れは続きそうです。
◆ 今後のトレンド予測:
分野 | 今後の主流 |
---|---|
家電 | 整備済み+保証つき中古品 |
衣類 | 古着・メルカリ・リユース専門店 |
書籍 | 電子書籍 or 中古(ブックオフ・Amazon) |
家具 | レンタル+フリマアプリ |
スマホ | 格安SIM+整備済み端末 |
■ 「安い」ではなく「賢い」という時代へ
もはや「中古=貧乏」という価値観は時代遅れ。
今はむしろ、**「無理して新品を買う人が損をする」**ような経済環境になっています。
✅ 新品 → ステータス消費
✅ 中古 → 実利重視の“合理的選択”
■ 最後に:見栄より生存を選ぶ社会へ
今の日本では、「新品にこだわる=身を削る」ような時代。
メルカリ、整備済み、リユースは生きるための選択肢になりました。
もう“新品を買えなくなった”のではなく、
“新品じゃなくても十分”と気づいた人が増えてきたのかもしれません。