はじめに
「普通に働いて、普通に暮らして、いつか家庭を持ちたい」
そんな“当たり前”が、今の日本ではどれほど難しいことか。気づけば、普通の人生=超高難度モード。いや、もはや“無理ゲー”とすら言われ始めています。
今回は、「なぜ今の日本で“普通に生きる”ことがこんなに大変なのか?」を、具体例を交えて深掘りしていきます。
1. 物価は爆上がり、給料は据え置き…もう生活できない
■ 具体例:値上げラッシュが止まらない
2024年〜2025年にかけて、日本では食品・光熱費・交通費などが軒並み10〜30%以上の値上げ。
- 菓子パン:100円→150円
- 牛乳1L:150円→210円
- 電気代:前年比約25%増
その一方で、実質賃金は25ヶ月連続のマイナス(厚労省調べ)。給料が増えていないどころか、手取りが減っていく状況です。
「働いても働いても生活が苦しい」という声がSNSでも溢れています。
2. まともな家が持てない、結婚すら夢のまた夢
■ 具体例:住宅ローン地獄と非婚社会
東京23区では、新築マンションの平均価格が1億円超え(2024年時点)。郊外でも5000万〜7000万円が当たり前になり、一般的な会社員が家を買うことは極めて困難。
さらに、独身率も過去最高に。
- 男性の生涯未婚率は約28%
- 女性も約18%
理由は、「金銭的に無理」「家族を持つ余裕がない」「生活が安定しない」など、将来の見通しの暗さが背景にあります。
3. 労働環境はブラックまみれ、「普通」に働くのも限界
■ 具体例:休めない社会、減らない過労死
- 週5日勤務+残業+通勤2時間
- 有給は取れても職場に嫌な空気が漂う
- 「辞めたら終わり」と思わされて精神を病む人も続出
さらに、コロナ禍以降、非正規雇用の不安定さが露呈。非正規の割合は全体の37%以上で、いつ雇い止めされてもおかしくない現実があります。
「普通に働いて生きていきたい」と思っても、その“普通”すら維持できないほど、労働環境が劣悪化しています。
4. 子育て?教育?そんなの無理に決まってる
■ 具体例:子ども1人育てるのに約3000万円
- 保育料、習い事、学費、進学…トータルで子ども1人にかかる費用は約3000万円
- 都心の保育園は定員オーバー、地方は保育士不足
- 教育現場では教員の過労やいじめ問題も深刻
結婚したとしても、「子どもを持つのは経済的に無理」と考える夫婦が増加しています。子育てのハードルが高すぎて、“普通の家庭”が持てない。
5. 社会保障も年金も崩壊寸前
■ 具体例:年金だけじゃ生きられない
老後資金に必要な額は「2000万円問題」として話題になりましたが、いまやそれどころではありません。
- 実際の生活費:毎月20万円以上
- 支給される年金:月12〜13万円が平均
高齢者の貧困率も上昇し、働き続けなければ生活できない「下流老人」が増加しています。若い世代も「払うだけ払って、自分が受け取る頃には制度が破綻してるのでは?」という不信感を持つように。
6. 逃げ場がない社会、心の病が急増
■ 具体例:自殺者数の高止まり
コロナ禍以降、自殺者数は一時減ったものの、2023年以降は再び上昇傾向。特に若者や女性の自殺が深刻です。
- 精神科は予約でいっぱい、数ヶ月待ちが当たり前
- SNSには「#生きづらい」「#人生ハードモード」など共感の声が多数
「助けて」と言える場所が少なく、社会全体が“余裕ゼロ”の状態に追い込まれているのが今の日本の姿です。
まとめ:なぜここまで“普通”が難しくなったのか?
- 過去の成功体験にとらわれた政策
- 終身雇用や年功序列の崩壊
- 構造的な格差と非効率な制度
- 少子高齢化による税・保険負担の急増
これらが複合的に絡み合い、「普通に生きる」ことが“贅沢”になってしまったのが今の日本です。
最後に:それでも、生きていくために
今の日本で生きていくには、
- 働き方を見直す(副業・リモートなど)
- 固定観念を捨てる(結婚・持ち家にこだわらない)
- 小さな満足や生きがいを見つける
など、「新しい生き方の選択」が求められています。
“普通”じゃなくていい。“自分らしく、無理なく、生き抜く”道を探すことが、今こそ必要なのかもしれません。