◆ はじめに:「気づいたら、昼ごはんが贅沢になっていた」
かつては100円ちょっとで買えていたコカ・コーラが、今や自販機で200円を表示。
ランチは500円が当たり前だったはずが、今は500円以内でまともに食べられない。
その結果、若者を中心に「昼食を抜く」人が急増しています。
一体この国は、いつから“昼飯すら満足に食べられない社会”になってしまったのでしょうか?
今回はその実態と背景を、具体例を交えて詳しく見ていきます。
◆ コーラが200円!?ジワジワ進む「ステルス値上げ」
日本コカ・コーラ社は、2024年から段階的に値上げを実施。
自販機やコンビニでは、以下のような変化が起きています。
▶ 具体例1:自販機の価格
- かつて:500mlペットボトル → 120円〜150円
- 現在:500mlペットボトル → 190〜200円
▶ 具体例2:コンビニの価格
- 350ml缶コーラ → 約120円 → 現在は150円前後
- ペットボトルは小容量化しながら値段は据え置き → 実質値上げ
いわゆる**「内容量は減らすが価格は据え置く」ステルス値上げ**が浸透しています。
◆ 昼食を抜く人が多数派に?その実態
帝国データバンクが2024年に行った調査では、以下の結果が出ています。
▶ 調査結果(一部抜粋)
- 会社員の**27.5%が「週3回以上昼食を抜く」**と回答
- 20代に至っては、約35%が「昼食を抜いている」
- 理由は「節約」「食費が払えない」「物価が高すぎる」
▶ 実例:都内在住・一人暮らしの会社員(28歳)
「ランチに1,000円も使えない。最近は水だけ飲んで午後も働いてます。自販機すら高くて買わない。」
一昔前なら“おにぎり2個とお茶”で300円以内に収まった昼食が、今では500円を軽く超える時代になっています。
◆ 背景にある「実質賃金の下落」と「物価高騰」
▶ 実質賃金の低下
- 2023年:実質賃金は12カ月連続でマイナス
- 2024年も引き続き下落傾向。
- 名目給与が上がっても、物価上昇がそれを上回る。
▶ 消費者物価の上昇(総務省データ)
- 食料:前年比5〜8%の上昇が続く
- 外食:特にコンビニ弁当やランチセットが軒並み値上げ
- 飲料:製造コスト上昇のため、炭酸飲料やミネラルウォーターも値上げ
つまり、収入はほぼ増えないのに、出費だけはどんどん増える。
◆ なぜここまで放置されているのか?
▶ 政府の対策の遅れ
- 賃上げ推進策はあるものの、中小企業には波及せず
- 食料品への消費税軽減税率(8%)以外の直接的支援は乏しい
▶ メディアがあまり報じない現実
- 大企業や都市部の給与平均に目が行き、「生活困難層」の実情が見えにくい
- SNSでは「#昼食抜き」「#節約ランチ」などの投稿がバズるが、これは“努力”ではなく“サバイバル”の記録
◆ 「もう普通に食べられない国」になってしまったのか?
- コーラが200円
- コンビニ弁当が700円
- 外食ランチが1,200円
- それに対し、最低賃金はまだ時給1,100円前後
これでは、**「一日3食しっかり食べる」ことが“ぜいたく”**になってしまっても無理はありません。
▶ 若者の声
「1日1食か2食が当たり前。飲み物は水道水。体力も気力も削られて、働く意味がわからなくなってくる。」
◆ まとめ:「コーラ1本」で見える、この国の深刻さ
コーラが200円。昼ごはんを抜くのが当たり前。
これらは単なる「節約術」ではなく、社会全体の貧困化・生活困窮の象徴です。
「贅沢をしないで節約すればいい」と言うのは簡単ですが、それが“命を削る節約”にまでなっている現実を、私たちは直視すべきです。
いま必要なのは、「自己責任論」ではなく、「どうすれば誰もが昼食を食べられる社会を作れるのか」を考えることではないでしょうか。