はじめに
2025年の夏、日本列島は「観測史上最も暑い夏の一つ」と言われるほどの異常気象に見舞われています。気象庁も「10年に一度レベルの高温」と警戒を呼びかけており、連日35度を超える猛暑が続く中、それでも「スーツで満員電車に乗る」という日本の通勤スタイルは、変わる気配がありません。
はっきり言って、これはもはや苦行。砂漠でスーツを着て歩いているようなものであり、誰も得をしない慣習にしがみついているようにすら見えます。今回は、「スーツ通勤、そろそろやめませんか?」というテーマで、現状と問題点、そして今後のあり方を考えてみます。
異常な暑さ、その中での通勤は「命がけ」
2025年6月、東京都心の最高気温は連日36〜38度を記録。朝8時の時点で気温はすでに30度を超え、湿度も80%近く。
そんな中で、黒いスーツに長袖シャツ、革靴を履いて通勤する人々がぎゅうぎゅう詰めの電車に揺られる。これはもう、軽度の熱中症予備軍が毎日何万人も移動している状態です。
具体例:JR中央線で車内温度38度超え
2025年6月の都内では、中央線のある車両でエアコンの効きが悪く、車内温度が38度を超えたという報告がSNS上に相次ぎました。「車内がサウナ状態」「汗でシャツがびっしょり」などの声があふれ、乗客の中には途中下車して休憩する人も。これが“日常”になっているのが、今の通勤環境です。
スーツは日本の夏に合っていない
スーツはもともと欧州の涼しい気候を前提に設計された衣類。
高温多湿な日本の夏にスーツを着ること自体がナンセンスであり、着ている側にとっても苦痛、見ている側にとっても暑苦しさを与える存在になっています。
具体例:インド企業では夏季「全員私服OK」制度導入
インドでも高温多湿な気候で知られますが、多くの企業は5月〜9月までクールビズならぬ「ドレスフリー」制度を導入しており、Tシャツやポロシャツでの出勤が当たり前になっています。にもかかわらず、日本では「取引先の目があるから」「営業だから」という理由で、いまだにスーツ強制が続いています。
社会の空気が変われば企業も変わる
ここ数年、コロナ禍を経てテレワークやオフィスカジュアルの導入が進んできましたが、特に中小企業や地方企業では旧態依然とした服装ルールが根強く残っているのが実情です。
具体例:地方自治体の「半袖NG」ルール
ある地方の役所では、今でも「外回りの担当は夏でも長袖必須」という非公式ルールが存在。40度近い中、職員が汗だくで書類を届ける姿が話題となり、「働く人の命より形式が大事なのか」と批判を浴びました。
もうやめよう「スーツ=誠実」の呪縛
日本社会では長らく「スーツ=きちんとしている」「誠意が伝わる」というイメージが根強く存在してきました。
しかし、真夏の炎天下で汗だくになって倒れそうになりながらスーツを着ている姿が“誠実”に見えるでしょうか?
むしろ、時代錯誤で危機管理ができていない証拠に見えませんか?
解決策:現代に合ったビジネススタイルへ
- 夏季限定の完全私服通勤の推奨
Tシャツ+ジャケットなど、柔軟な服装ルールを導入する企業が増えれば、社会全体の意識も変わります。 - 営業先の服装ルール見直し
「スーツじゃないと失礼」と思われないように、企業間での服装多様性を容認することが大切です。 - 公共交通機関の服装アナウンスも効果的
たとえば鉄道会社が「熱中症予防のため軽装を推奨します」という案内をすれば、社会全体が後押しされます。
おわりに
10年に一度の猛暑が、毎年のように起きる時代に突入しました。
そんな中で、「スーツで通勤」はもはや**健康リスクであり、パフォーマンスの低下を招く“時代遅れの習慣”**にすぎません。
命より大事な服装など、存在しません。
今年の夏こそ、「もうスーツはやめよう」と、声を上げるタイミングではないでしょうか。