■ はじめに
「出稼ぎ」と聞くと、かつての東南アジアやフィリピンの話だと思っていませんか?
しかし今、日本人がその“出稼ぎ”を選び始めています。なぜなら、東京の月給では生活が限界、一方でニューヨークでは同じ労働でも2倍以上の報酬が得られるからです。
かつては「日本から来たら優秀な人材」と見られていた私たちですが、今や**日本という国が「安い国」**と見られる時代になりました。この記事では、なぜ「もう出稼ぎ一択なのか?」を、実例とデータから読み解きます。
■ 東京 vs ニューヨーク:月給の差は歴然
▶ 東京の平均月給(2024年)
- 約 34万円(手取りは約27万円)
- 年収:約 450万円
▶ ニューヨークの平均月給(2024年)
- 約 7,000ドル(約110万円)
- 年収:約 1,300万円
▶ その差
同じような職種でも、月給は2〜3倍の開き。
しかもアメリカでは「昇給あり」「評価制度明確」「副業もOK」という環境が整っています。
■ 実際の事例:出稼ぎを選んだ日本人たち
① 28歳・元営業マン(東京 → シアトル)
「日本での月収は28万円。毎日残業でボーナスも雀の涙。英語を独学し、ITサポートの仕事でアメリカに。今では月収90万円、週末は趣味のバイクで過ごしてます」
② 35歳・看護師(埼玉 → ニューヨーク)
「看護師のスキルは世界共通。アメリカでは研修を経て正式採用に。月収120万円、残業なし。正直、もう日本には戻れません」
③ 23歳・大学中退 → カナダで寿司職人見習い
「日本ではフリーター。カナダのジャパレスで修行中だけど、月20万円もらえて住居も支給。しかも語学力も伸びてる。夢があるのは海外でした」
■ なぜここまで差が開いたのか?
◎ 理由1:実質賃金が30年間ほぼ上がっていない日本
OECDの統計によると、日本の平均賃金は30年間でほとんど増えていません。
一方、アメリカは2倍以上に成長。
◎ 理由2:企業より個人に報いる文化の違い
- アメリカ:成果主義、年齢不問、転職が評価対象
- 日本:年功序列、空気を読む、転職はマイナス評価
◎ 理由3:物価が上がっても給料が上がらない国・日本
- 物価高騰中なのに、**「昼食を抜くビジネスパーソン」**が急増
- 一方アメリカでは「物価も高いが給料も上がる」連動型経済
■ 生活費はニューヨークのほうが高い?→それでも余る
確かにニューヨークは家賃や保険が高いですが、それを差し引いても手元に残る金額は多いです。
項目 | 東京 | ニューヨーク |
---|---|---|
家賃 | 12万円 | 30万円 |
食費 | 5万円 | 8万円 |
手取り残金 | 10万円以下 | 40万円前後 |
■ 日本で得られない「自由」と「希望」
出稼ぎで海外に出た日本人はこう言います。
- 「日本のように毎日“空気”を読まなくていい」
- 「キャリアも生活も自分で選べる」
- 「何より“希望”がある」
今の日本で、同じような言葉を言える人がどれだけいるでしょうか?
■ もはや出稼ぎは「逃げ」ではない、「戦略」だ
「海外に逃げた」と言われた時代は終わりました。
今や、世界中の優秀な人材が“高給のある場所”へと移動するのが常識です。
これは貧しい国の話ではなく、停滞した国=日本からの脱出でもあるのです。
■ おわりに
「東京で月収34万円か、ニューヨークで110万円か?」
もはや悩むまでもない時代になりました。
もちろん、すべての人がすぐに海外で働けるわけではありません。
しかし英語やスキルを磨きながら、**「出稼ぎという選択肢」**を真剣に考える人が急増しているのは事実です。
“出稼ぎ”はもはや“生存戦略”──
それが今の日本人の、悲しくも現実的な答えなのかもしれません。