1. 衆院は「合流」、参院・地方は「別会派」のカラクリ

2026年1月、衆議院では高市政権への対抗軸として「中道改革連合」が結成されました。しかし、参議院議員と地方議員は「公明党」に籍を残したまま活動しています。この使い分けには、公明党独自の生存戦略があります。

衆院は「政権奪取」、参院・地方は「組織維持」

  • 衆議院: 小選挙区制が中心のため、立憲と公明が潰し合わないよう「合流」して一つの大きな塊を作る必要がありました。
  • 参議院・地方: 比例区や複数人区、あるいは地域密着の選挙がメインです。ここでは「公明党」というブランドと、長年培った「公明党地方議員」の信頼関係を壊す方がリスクが大きいと判断されました。

2. 統一地方選挙を控えた地方議会の混乱:具体例

2026年4月に控える統一地方選挙。現場の地方議員たちは、かつてないジレンマに直面しています。

具体例①:ポスターに「中道改革連合」が書けない

ある旧公明党の現職市議は、次回の選挙ポスターをどうすべきか頭を抱えています。「衆院は新党だから、私も新党の名前を出すべきか? しかし、私の支持者は『公明党の〇〇さん』だから応援してくれている。急に『中道改革連合』と名乗れば、支持母体の創価学会員すら混乱してしまう」

具体例②:「立憲系議員」との選挙区調整

地方議会では、旧立憲系の議員と旧公明系の議員が長年ライバルとして戦ってきました。 「今日から同じ党の仲間だから、お互いの票を融通し合おう」と言われても、地方の支持母体(連合 vs 創価学会)は簡単には融和できません。結果として、**「国政では仲間だが、地方選では敵」**という奇妙な構造が生まれています。


3. なぜ「公明」のままのほうが合流しやすいのか?

質問にある「公明のままのほうが他党に合流しやすいのか?」という視点は、極めて鋭い指摘です。

公明党が地方や参院で「公明」という箱を残しているのは、**「中道改革連合が失敗した時のための脱出装置」**を確保しているからです。

  • 国民民主へのシフト: もし中道改革連合の支持が伸び悩み、国民民主党が野党第一党の勢いを見せた場合、公明党(地方・参院)は「中道改革連合を離脱して、国民民主と連携する」というカードをいつでも切れます。
  • 自民との再連携: 再び自民党が安定感を増せば、「地方の公明党」として再び自公連立に近い形に戻ることも容易です。

もし全議員が完全に「中道改革連合」に染まってしまえば、この柔軟な「渡り鳥」のような戦略は取れなくなります。


4. 地方組織が抱える「解党」への恐怖

現在、公明党の地方組織内では「解党が近いのではないか」という不安が広がっています。

  • 本音: 「衆院議員が全員いなくなった党に、果たして未来はあるのか?」
  • 現実: 地方議員の給与や活動費の一部は党本部からの助成金に頼っています。衆院の議席が減り、新党へリソースが流れる中、地方議員たちは「自分たちは捨て石にされるのではないか」という疑心暗鬼に陥っています。

まとめ:有権者は「二枚舌」を許すか

衆院では「中道改革連合」、地方では「公明党」。この戦略は、短期的には議席を守るための「賢い生存戦略」に見えます。しかし、有権者から見れば**「結局、自分たちの都合で看板を使い分けているだけではないか」**という不信感に繋がりかねません。

統一地方選挙の結果次第では、公明党の地方組織が雪崩を打って解体し、真の意味での「政界大再編」が始まるかもしれません。

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