ここ数日、トカラ列島近海で再び地震活動が活発化しています。2025年6月に入り、震度1~3の地震が一日に複数回観測される日もあり、住民の間には再び不安が広がっています。この記事では、現在の状況と今後の可能性について、過去の事例や専門家の分析も交えて詳しく解説していきます。


トカラ列島とは?なぜ地震が多いのか?

トカラ列島(吐噶喇列島)は鹿児島県十島村に属する離島群で、屋久島と奄美大島の間に位置します。この地域はユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界部にあるため、地震が非常に多い地帯として知られています。

特に「トカラ列島近海群発地震」は周期的に発生しており、直近では以下のような活動がありました。

  • 2021年12月:1週間で200回以上の有感地震を記録
  • 2024年3月:再び地震が増加、一時的に津波注意報も発令

そして2025年6月、再び群発地震の兆候が現れ始めています。


2025年6月の地震活動の具体例

2025年6月28日~30日の間に起きた主な地震を以下に示します。

発生日規模(M)最大震度震源の深さ備考
6月28日M4.2震度310km中之島近海
6月29日M3.8震度220km平島周辺
6月30日M4.5震度310km口之島南東沖

いずれも深さが浅く、プレート境界型の特徴を持っています。地震が増えるとともに、住民の一部では高齢者の一時避難や、防災無線での警戒呼びかけも始まっています。


今後の展開は?「より大きな地震」の可能性も視野に

気象庁や地震研究機関は、現在のトカラ列島での群発地震について、プレートのひずみ解消によるものと見ています。しかし、過去の事例から考えると、以下のようなリスクも否定できません。

1. M5以上の地震が起きる可能性

2021年の群発地震の終盤ではM5.4の地震が発生し、建物の壁が崩れるなどの被害も出ました。現在の震源域が似ており、同様の規模の地震が起きる可能性は十分にあります。

2. 津波への警戒

規模がM6クラス以上になると、津波発生のリスクも出てきます。特に海底で断層のズレが起きた場合、局地的な津波が離島を襲う恐れがあるため、早期の情報把握と避難経路の確認が不可欠です。

3. 九州本土への影響

トカラ列島で大きな地震が起きた場合、揺れは鹿児島や宮崎南部でも感じられる可能性があります。実際、2024年のM5級の地震では、鹿児島市でも震度2を観測しました。


今後の対応:私たちにできること

トカラ列島の地震は、離島だけの問題ではありません。今後、より大きな地震につながる兆候の可能性もあるため、次のような対策が求められます。

  • 地震速報アプリの活用(Yahoo防災速報・特務気象庁アプリなど)
  • 非常用持ち出し袋の再点検(最低3日分の水・食料)
  • 自治体の防災訓練への参加
  • トカラ列島に親族がいる場合は事前の安否確認ルートを整備

結論:注視すべき小さな変化が「前兆」になるかも

トカラ列島の群発地震は、毎回明確な終わりが見えず、突然収束したかと思えば、数ヶ月後に再発するという特徴があります。つまり、「いつ終わるのか」ではなく、「いつ大きな変化が起きるか」に注目すべきです。

「まだ小さい地震だから大丈夫」と油断することなく、日々の備えを怠らないことが、命と生活を守る鍵となるのです。

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