はじめに

2025年の日本列島は、台風シーズンを待たずして記録的な豪雨が各地を襲っています。線状降水帯の多発や異常気象が続く中、私たちが見落としている重大なリスクがあります――「もし巨大台風が首都圏を直撃したら?」です。この記事では、台風でもないのに頻発する豪雨の現状と、巨大台風の首都圏直撃時の被害想定について、具体例とともに解説します。


1. 台風が来ていないのに続く記録的豪雨

台風がないのに「警報級」

2025年6月、鹿児島・熊本・高知などでは観測史上最多の雨量を記録。
東京都内でも6月上旬から中旬にかけて、1時間に80ミリ以上の集中豪雨が4日間で3回発生しました。
これは台風ではなく、梅雨前線と地球温暖化による大気の不安定化が主な原因とされています。

都市機能が止まる非台風豪雨

都市部では地下鉄の浸水、電車の運休、道路の冠水が相次ぎ、都内でも一部地域で避難指示が発令されました。
それでも、これは「前兆」にすぎません。


2. 巨大台風が首都圏を直撃した場合の想定

首都直撃シナリオ

国土交通省と気象庁のモデルでは、東京湾から関東平野を縦断する最悪ルートの巨大台風を想定しています。
想定される主な影響は以下の通りです。

  • 荒川・多摩川の氾濫による広範囲浸水(江戸川区、葛飾区、江東区など)
  • 地下鉄9路線で全面浸水
  • 羽田空港・成田空港の閉鎖
  • 首都高速やJR各線が全面運休
  • 最大300万人以上が浸水域に取り残される可能性

地下空間の危険性

東京都心には鉄道や下水など、2000キロ以上の地下インフラがあります。
ここに短時間で水が流れ込むと、地下街や地下鉄ホームが一気に水没し、都市型の水害が現実のものになります。


3. 過去の災害と比較

2019年 台風19号(令和元年東日本台風)

  • 多摩川氾濫、武蔵小杉で停電・断水
  • 浸水家屋約5000戸
  • 首都圏でも交通網が一時マヒ
    このときは台風の中心が東京から離れていたため、直撃していたら被害は数倍になっていたと推定されています。

4. 背景にある気候変動

海水温の上昇により、台風は従来よりも強力かつ大型化しやすくなっています。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、今後スーパー台風の発生率が高まると警告しています。
つまり、東京直撃の巨大台風は「いつか来る災害」ではなく、「いつ来てもおかしくない現実」です。


5. 私たちにできる備え

行政の対策

自治体が公表している水害ハザードマップを確認し、自宅や勤務先の浸水リスクを把握しましょう。
避難所や避難ルートも家族で話し合っておくことが重要です。

個人でできる備え

  • モバイルバッテリー、飲料水、簡易食、懐中電灯の常備
  • 非常用持ち出し袋の準備(最低3日分)
  • 徒歩帰宅ルートの確認
  • 雨量や河川の水位情報のアプリ登録や通知設定

終わりに

今、私たちは「台風じゃないのに豪雨が頻発する時代」に生きています。
だからこそ、巨大台風が首都圏を直撃するという最悪のシナリオも、現実的な脅威として備える必要があります。
災害はいつ起きてもおかしくありません。日々の意識と備えこそが、私たちの命を守ります。

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