9月上旬、日本列島は台風15号と停滞する前線の影響で、広い範囲で大雨に見舞われる恐れがあります。特に 東北・関東甲信・東海・近畿・四国 では、線状降水帯が発生する可能性があり、短時間で記録的な雨量となる危険があります。土砂災害や河川の氾濫、低地の浸水などに厳重な警戒が必要です。
台風15号の動きと大雨の原因
台風15号は奄美大島付近を北上し、本州の南岸に停滞する前線を刺激しています。この影響で、暖かく湿った空気が次々と流れ込み、雨雲が次々に発生・発達。特に山地や風下側にあたる地域では、同じ場所に強い雨雲がかかり続ける「線状降水帯」が発生しやすい状況です。
想定される具体的な被害の例
1. 土砂災害
- 例:神奈川県箱根町や静岡県伊豆地方では、これまでの雨で地盤が緩んでおり、新たな大雨で土石流や斜面崩壊の危険性が高まっています。
- 山間部では夜間に災害が発生すると避難が遅れるため、早めの行動が重要です。
2. 河川氾濫・内水氾濫
- 例:関東では荒川や多摩川、東海では天竜川や矢作川、近畿では淀川や紀の川が増水する恐れがあります。
- 都市部(東京23区・大阪市・名古屋市など)では下水道の排水能力を超える「内水氾濫」により、地下街や地下鉄が浸水する可能性もあります。
3. 交通への影響
- 新幹線や在来線の運休、飛行機の欠航、高速道路の通行止めが発生する可能性があります。
- 例:東海道新幹線では、2022年の台風14号時に静岡県内で大規模な運休が発生し、数万人が足止めされました。今回も同様の事態が想定されます。
警戒が必要な地域の具体例
- 東北:宮城県や福島県の沿岸部では豪雨に加え、河川氾濫のリスク。
- 関東甲信:東京・神奈川・埼玉では都市型水害の危険。山梨・長野では土砂災害に注意。
- 東海:静岡県・愛知県は台風の進路に近く、特に激しい雨。
- 近畿:和歌山県や奈良県の山地で土砂災害警戒。
- 四国:高知県や徳島県で線状降水帯による集中豪雨の恐れ。
今後の生活でできる対策
- 避難経路の確認:川沿いや崖の近くに住んでいる人は、早めに避難を検討。
- ハザードマップのチェック:自宅や職場周辺が浸水想定区域かどうか再確認。
- 非常用品の準備:停電や断水を想定して、懐中電灯・モバイルバッテリー・飲料水を準備。
- 最新情報の入手:気象庁の「線状降水帯予測」や自治体の避難情報をこまめに確認。
まとめ
台風15号と前線の影響で、東北から四国にかけて非常に広い範囲で大雨災害のリスクが高まっています。特に 線状降水帯の発生 によって、わずか数時間で平常時の1か月分の雨が降る可能性もあります。過去の豪雨災害と同じような事態を繰り返さないためにも、早め早めの備えと避難行動が命を守るカギとなります。