はじめに
毎朝の通勤、汗だくで満員電車に押し込まれるサラリーマン。気温35℃を超えても、ジャケットにネクタイ、革靴はマスト。
「これっていつまで続けるの?」そう疑問に思っているのは、あなただけではありません。今や“スーツで出勤”は、もはや修行レベルの苦行。今回は、そんな現代日本の通勤の異常さを具体例とともに解説します。
1. 気温35℃でも「スーツ+ネクタイ」文化
気温35℃を超えてもスーツが標準
東京では6月から35℃を超える日が続出。
しかし、ビジネス街を歩く男性の多くは、長袖ワイシャツにジャケット、ネクタイ姿。
半袖やポロシャツに変えられない理由は、「職場の雰囲気」「取引先の目」など、同調圧力。
クールビズはあってないようなもの
環境省は「5月からクールビズを推奨」としているが、現場では「着るなと言われていないから、着ている」状態。
あるメーカー社員:「ネクタイなしはOKでも、ジャケットは脱いでもいいのか曖昧で怖い」
2. 通勤電車は“サウナ状態”の拷問空間
車内は蒸し風呂、汗とストレスの密室地獄
山手線や中央線など、朝8時台は200%超の混雑率。
エアコンがついていても、乗客の体温と湿気で車内温度は30℃近くに。
濡れたスーツが体に張り付く、他人の汗が当たる、立ちっぱなし……すでに出社前に心が折れる。
熱中症リスクすらある通勤
総務省の調査によると、熱中症の発症場所として「電車内」も含まれるケースが増加中。
若い社員が朝礼中に倒れるケースも実際に起きている。
3. なぜ変わらない?「服装自由」が進まない日本
見た目より中身のはずなのに…
欧米ではノーネクタイ・Tシャツ通勤が当たり前。
一方日本では、「きちんとして見える=信頼される」という古い価値観が根強く残る。
服装ルールは“空気”が支配
「服装自由」と明文化されても、実際は“先輩が着てるから”という理由でスーツを着続ける新入社員が多数。
「暑くて体調崩しても、自己責任」という風土が、脱スーツを妨げている。
4. 働き方改革ってどこいった?
テレワークの縮小で“通勤強制”が復活
コロナ禍で進んだはずのテレワークも、2024年現在では大企業を中心に出社回帰が進行中。
「会社に来ないと評価されない」「リモートはサボれると思われる」などの理由で、社員は出社を強いられる。
フレックスや時差出勤も“形だけ”
「制度はあるが使いにくい」企業が多数。
実質、みんなが集中する朝8〜9時台に通勤せざるを得ず、混雑と猛暑のダブルパンチを食らっている。
5. スーツが象徴する“時代遅れ”な働き方
もはや、スーツ出勤はかっこよさでも誠実さでもなく、非効率と精神的苦痛の象徴となりつつあります。
暑さで集中力が切れ、仕事のパフォーマンスも低下
毎朝の通勤で体力・気力を消耗
健康リスクも増大
それでもスーツを脱げないのは、日本社会が変化を恐れているからにほかなりません。
終わりに:「脱スーツ」は“働き方改革”の第一歩
働き方改革や生産性向上を本気で目指すなら、まず見た目より快適さと効率を優先すべき時代です。
「スーツを脱ぐ自由」「涼しい服で働く権利」は、これからの日本社会にとって重要なテーマです。
いつまで“我慢”を美徳とし続けるのか?——この夏こそ、服装と働き方を見直す時ではないでしょうか。