はじめに

6月も後半、日本の通勤ラッシュはまるで“動くサウナ”。湿度80%超え、気温30℃超えの中で、ぎゅうぎゅう詰めの通勤電車に乗る…。それだけで朝から心も体もぐったりしてしまう人は少なくありません。そんな中、「もうスーツやめて、アロハシャツにビーサンで通勤したい!」という声が真面目に聞こえる時代になってきました。

今回は、「日本の通勤スタイルはこのままでいいのか?」という問題を、具体例を交えながら考えていきます。


通勤電車は“蒸し風呂”状態、その実態

まず、実際に体験した人の声を紹介します。

  • 30代男性(東京都・営業職)
     「朝7時半の山手線。車内の湿気が異常で、ワイシャツが背中に貼りついて息苦しかった。ハンカチじゃ拭ききれないレベルで汗だくでした。」
  • 20代女性(千葉県・事務職)
     「総武線で片道1時間。毎朝メイクが崩れて意味がないし、スーツの中で体が蒸れてかゆくなる。夏は本当に通勤が憂鬱。」

実際、JR東日本の2023年夏の調査では、朝7〜9時台の車内温度は30〜32℃、湿度は最大85%に達した区間もあると報告されています。もはや“快適な通勤”ではなく“修行”に近い。


なぜスーツなのか?その「常識」を見直そう

スーツという文化は、もともとイギリス発祥。冷涼な気候の中で、格式と規律を示す服装として発展してきました。しかし、日本の夏は湿度も気温もまるで別世界。砂漠よりも暑く、ムシムシするのが現実です。

なのに、なぜ私たちは真夏でも上下スーツ・革靴を守り続けているのでしょうか?
それは「見た目重視」や「慣習」から抜け出せない企業文化が根深く残っているからです。


海外では「気候に合わせた服装」が当たり前

たとえば、ハワイ州では正装がアロハシャツ。銀行員も州知事もアロハで会議に出てきます。フィリピンでは「バロン・タガログ」という涼しい民族衣装が正装として認められています。

ヨーロッパの一部の企業では、夏季限定で「ビジネスカジュアル週間」を設け、Tシャツ・短パン・サンダルでの出社を許可する企業も。理由は単純で、「生産性が下がるから」。暑さとストレスで集中力が落ち、体調を崩す社員が増えるからです。


日本でも変わり始めている職場

日本でも「クールビズ」が浸透し始めてはいますが、まだまだ“形だけ”になっている企業も少なくありません。

一方、IT系企業やスタートアップ企業では、すでにTシャツ・デニム・スニーカーが標準装備という会社も増えています。Google Japanやサイボウズ、メルカリなどでは、服装自由を掲げており、むしろ“スーツで来ると浮く”という文化すらあるそうです。

また、東京都庁でも一部部署でアロハシャツOKの試みが行われたこともあります。


アロハにビーサンで本当にダメなのか?

もちろん、TPO(時と場合)に応じた服装は必要ですが、
・毎日客先に行くわけではない人
・内勤中心の職種
・対面業務が少ない職場
こうしたケースでは、アロハにビーサンでも何の問題もないというのが現実です。

むしろ、「見た目よりも体調を優先すべき」という考え方が当たり前になっても良いはずです。“命より服装が大事”という時代は終わらせるべきではないでしょうか?


まとめ:まずは「少し緩める」ことから

いきなりアロハ&ビーサンはハードルが高いかもしれません。でも、

  • ジャケットをやめる
  • 半袖シャツを認める
  • ノーネクタイを基本にする
  • 通勤時間を避けて時差出勤する
    など、できることから始めてみるだけで、かなり快適になります。

通勤電車の中で“命の危険”を感じる前に、私たち自身も、そして企業側も、「見た目より中身、命より伝統はおかしい」という意識改革を始める必要があるのではないでしょうか?


最後にひとこと

「会社で浮かない服装」より、「夏を生き抜ける服装」を優先してもいい時代が、もうすぐそこまで来ています。

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