近年の猛暑により、熱中症による救急搬送や死亡例が相次いでいます。こうした状況に対応するため、環境省と気象庁は**「熱中症警戒アラート」**を導入しました。
これは、熱中症の危険性が極めて高いと予想される日に、事前に注意喚起を行う仕組みです。
今回は、このアラートの仕組みや発表基準、そして私たちが取るべき行動について詳しく解説します。
熱中症警戒アラートとは?
熱中症警戒アラートは、熱中症による健康被害を未然に防ぐための注意情報です。
2020年に試行開始、2021年から全国で本格運用が始まりました。
発表されると、テレビ・ラジオ・スマホの通知・防災無線などで広報され、外出や運動の制限、水分補給の徹底が呼びかけられます。
発表の基準は「暑さ指数(WBGT)」
アラートの発表基準となるのは、**暑さ指数(WBGT: Wet Bulb Globe Temperature)**です。
WBGTは「気温」だけでなく、湿度・日射・風の影響も考慮した指標で、体感的な暑さや熱中症リスクをより正確に示します。
- WBGT 28℃以上:熱中症の危険性が極めて高い状態
この値が翌日、都道府県内の複数地点で予測される場合に「熱中症警戒アラート」が発表されます。
WBGTの目安と危険度
- 25〜28℃:警戒(運動時は休憩を増やす)
- 28〜31℃:厳重警戒(外出・運動は原則控える)
- 31℃以上:危険(安静時でも熱中症の恐れ)
つまり、アラート発表時は日常生活でも熱中症のリスクが高まるため、特別な対策が必要になります。
熱中症警戒アラート発表時の行動
1. 不要不急の外出を控える
特に午前11時~午後4時は危険度が高いため、屋外活動は避けましょう。
2. エアコンの使用
設定温度28℃に固執せず、室温を下げて体温管理を優先しましょう。
3. 水分・塩分補給
こまめな水分補給と、塩分(経口補水液や塩飴)を意識的に摂取します。
4. 高齢者・子どもへの注意
高齢者や乳幼児は体温調節機能が弱く、室内でも熱中症の危険が高いため注意が必要です。
5. 運動やイベントの中止・延期
学校やスポーツ団体、自治体イベントもアラート発表時は原則中止や延期が推奨されます。
アラートの確認方法
- 環境省「熱中症予防情報サイト」
- 気象庁公式サイト
- 防災アプリ(Yahoo!防災速報など)
- 自治体の防災メール・無線
スマホのプッシュ通知も活用し、リアルタイムで情報を得る習慣が大切です。
まとめ:アラートを「命を守る合図」として活用
熱中症警戒アラートは、単なる注意喚起ではなく、**「命を守るための警告」**です。
アラート発表時は、無理をせず冷房使用や外出自粛を徹底し、家族や地域の vulnerable な人々(高齢者・子ども)にも注意を呼びかけましょう。
この夏を安全に過ごすために、アラートを見逃さず行動することが何よりも重要です。