◆ トカラ列島でまた地震！揺れは連鎖していくのか？
2025年6月、鹿児島県・トカラ列島近海で再び複数回の地震が発生し、緊急地震速報も出される状況となっています。震度1〜4クラスの地震が数時間おきに続き、地元では不安の声が高まっています。
しかし、注目すべきは単なる「揺れの強さ」ではなく、その“頻度”と“集中性”です。今回の一連の地震は、いわゆる「群発地震」の様相を呈しており、今後の展開次第ではより大きな地震や火山活動への連動も懸念される状況です。
◆ 群発地震とは？「予兆」としての可能性も
群発地震とは、ある狭い地域で短期間に多数の地震が発生する現象。震源の深さや規模が似ていることが多く、地下で何か異常な変動が起きている証拠とも言われます。
トカラ列島では、過去にも以下のような大規模な群発地震が発生しています：
- 2021年4月〜5月：震度1以上が200回以上
- 2021年12月：1週間で300回近くの揺れを観測
- 2023年：断続的に地震活動が継続
今回も、過去の群発地震と同様に、プレート境界付近でひずみがたまっている兆候と考えられます。
◆ 今後の可能性①：「より大きな地震」が発生するか？
過去の例を見ても、群発地震の後にM6〜7クラスの“本震”が発生することは珍しくありません。トカラ列島周辺はプレートの衝突帯に位置し、エネルギーが蓄積しやすい地質構造です。
特に注意されているのは：
- 薩摩灘や奄美海域との連動
- 震源が深くなった場合、広域的な被害をもたらす恐れ
- 津波の可能性（海底断層のずれによる）
現時点で気象庁は「直ちに大地震に発展する兆候はない」としていますが、これは**“兆候が見えにくい”というだけで、絶対安全という意味ではありません**。
◆ 今後の可能性②：火山活動との関係は？
トカラ列島にある諏訪之瀬島（すわのせじま）は、活発な噴火を繰り返している活火山です。群発地震はしばしば火山活動の活発化とリンクしており、マグマの移動や地熱活動の影響も否定できません。
実際、気象庁の火山観測では：
- 地震活動が活発な期間に火山性微動や噴煙の上昇が増加する傾向
- 地震→火山活動→再び地震 という循環パターンも指摘
今後、群発地震が火山活動を誘発したり、逆にマグマの動きが地震を誘発するケースもあるため、地震と火山は“セット”で監視する必要があります。
◆ 今後、私たちが備えるべきこと
トカラ列島での地震活動は、今のところ大きな被害を伴うものではありません。しかし、これが**“前触れ”である可能性**を考慮し、私たち一人ひとりが備えておくことが重要です。
✔ 防災グッズ・食料・水の再点検
最低3日分、できれば1週間分を備蓄。
✔ ハザードマップ・避難所の確認
津波や土砂災害の可能性がある地域では特に重要。
✔ 家族で避難行動の共有
緊急地震速報が鳴ったらどう行動するか、子どもや高齢者とも話し合いを。
✔ 正確な情報源の確保
気象庁・自治体の公式発表や防災アプリを利用し、SNSのデマには注意。
◆ まとめ：トカラ列島の揺れを“対岸の火事”にしないために
「小さな島での地震でしょ」と思われがちですが、日本列島はすべて“つながったプレートの上”にあります。
トカラ列島で続く地震活動は、南西諸島だけでなく、本州〜九州にかけてのひずみ状況にも影響を与える可能性があり、今後の大地震や津波災害の“トリガー”になることもあり得るのです。
大切なのは、「備えすぎて困ることはない」という意識。今、できる備えを静かに、しかし確実に進めていきましょう。